2018年の男子テニスは、ノヴァク ジョコヴィッチが劇的な復活を見せた。
ジョコヴィッチは、2016年のローラン ギャロスで優勝し生涯グランド スラムを達成してから、まるでモティベーションを失ったかのように低迷が続いていた。しかも今年は右肘を手術し、年度の前半は不調に見えたが、ウィンブルドンで優勝し、その後は夏のハード コード シーズンでも活躍し、全米オープンでも優勝した。今年後半のジョコヴィッチは、ストロークが深く正確で、2015年から2016年に掛けての全盛期を思わせるような調子だった。
他のグランド スラムも、全豪オープンはロジャー フェデラーが、ローラン ギャロスはラファエル ナダルが優勝し、最終ランキングでも、ジョコヴィッチ、ナダル、フェデラーの3人が上位を占めた。
# |
Player |
Points |
1 |
Novak Djokovic (SRB) |
9,045 |
2 |
Rafael Nadal (ESP) |
7,480 |
3 |
Roger Federer (SUI) |
6,420 |
4 |
Alexander Zverev (GER) |
6,385 |
5 |
Juan Martín del Potro (ARG) |
5,300 |
6 |
4,710 |
|
7 |
Marin Čilić (CRO) |
4,250 |
8 |
Dominic Thiem (AUT) |
4,095 |
9 |
Kei Nishikori (JPN) |
3,590 |
10 |
John Isner (USA) |
3,155 |
11 |
Karen Khachanov (RUS) |
2,835 |
12 |
Borna Ćorić (CRO) |
2,480 |
13 |
Fabio Fognini (ITA) |
2,315 |
14 |
Kyle Edmund (GBR) |
2,150 |
15 |
2,095 |
|
16 |
Daniil Medvedev (RUS) |
1,977 |
17 |
Diego Schwartzman (ARG) |
1,880 |
18 |
Milos Raonic (CAN) |
1,855 |
19 |
Grigor Dimitrov (BUL) |
1,835 |
20 |
Marco Cecchinato (ITA) |
1,819 |
(Wikipediaより引用)
過去数年間、世代交代がいつ起きるのかが男子テニスの大きなテーマだったが、今年もまたもや世代交代は起きなかった。過去2-3年活躍した若手の内、錦織圭とミロス ラオニッチ、ドミニク ティームは足踏み状態で、グリゴー ディミトロフは大きくランキングを下げてしまった。彼らが1位になることは、恐らくないだろう。若手で有望なのは、ツアー ファイナルで優勝した現在21歳のアレグザンダー ズヴレヴで、3位が射程圏内に入ってきている。ズヴレヴは198 cmと長身ながらも動きが素早く、今までのテニス界には存在しなかったタイプだ。世代交代が起きるとすれば、1位になるのはズヴレヴだろう。また、フェデラーに何度か勝った現在22歳のボーナ チョリッチも今後ズヴレヴと1位の座を争うだろう。
フェデラー ファンとしては、フェデラーが年央から失速してしまったのが残念だ。フェデラーは全豪オープンで2年連続優勝し、次いでロッテルダムでも優勝して一時的に1位に返り咲いたが、その後は失速してしまった。ウィンブルドンでは準々決勝で、2セット アップで自らのサーヴでマッチ ポイントを握りながら、ケヴィン アンダスンにまさかの逆転負けを喫してしまった。その後も冴えない状態が続き、年末ランキングは3位に落ちてしまった。フェデラー自身は否定するだろうが、一時的に1位に復帰したことで、気持ちが緩んでしまったのではないだろうか。肉体的には衰えた感じはしないので、来年は再度グランド スラムの優勝と1位を目指して欲しい。