クレイ コートとHawk-Eye

テニスの大きな大会でHawk-Eyeを使ったチャレンジの仕組みが導入され始めたのは、2000年代後半だ。

ホークアイ (審判補助システム) - Wikipedia

今では当たり前のHawk-Eyeだが、クレイ コートでは採用されていない。クレイ コートではボールの跡が残るので、判定に疑問が有る場合は主審が跡を確認できるからだ。しかし、これが上手く行くとは限らない。今年のATP 1000マドリッド オープンで問題がいくつか発生した。

例えば、ドミニク ティームがロジャー フェデラーに勝った準々決勝では、こんなことが有った。あるショットに対し線審が下した判定を、主審がわざわざオーヴァー ルールしたのだが、その際に主審が違うショットの跡を確認したのだ。テレビの放送ではボールの軌跡がCGで再現され視聴者は主審が間違っていたことが判るのだが、選手達はこのCGを見ないので正しい結果が判らない。ノヴァク ジョコヴィッチがティームに勝った準決勝でも同様の場面が有った。

更に、ステファノ チチパスがラファエル ナダルに勝った準決勝では、チチパスが線審の判定に異議を唱えた際に、主審がボールの跡を確認しようとしたが、どれが正しい跡だか判らず線審の判定をそのまま認めた場面も有った。この場合は、テレビのCGでは線審の判定が正しかったことが判ったのだが、選手達はこのCGを見ないので釈然としない気持ちが残っただろう。

他のクレイ コートの大会でも同じようなことが起きうる。クレイ コートでもHawk-Eyeを採用すべきだ。