浅草の外れというのが意外だが、訪れて納得した。隅田川を挟んでスカイツリーが見えるという素晴らしい立地だ。3階建ての細長い建物で、1階が厨房、2階と3階が客席だ。我々は3階に通されたが、4組の客に対し二人のサーヴィスが付いていた。
ショート コースを頼み、ワインはペアリングにしてもらった。
プロヴァンス風ガスパチョ カフェフランセ仕立て、ぺルノー酒の香るレモングラスのエキューム
近隣老舗(大心堂、種亀)とのコラボスナックとアントナン風グリーンオリーヴのマリネ
リヨン伝統ソーセージ ロゼットで巻いたプラム
地元老舗の雷おこしや最中が、フランス料理として成立している。
“両国江戸蕎麦ほそ川”の蕎麦粉をソースエミュリュッショネの技法で炊き上げたそばがき、
奥井海生堂蔵囲い2年物昆布のジュレとアキテーヌキャビア、
ウォッカクリーム、おろしたてワサビをあしらって
蕎麦掻きの歯触りと香りがとても良い。キャビアの塩気が微かなアクセントになっている。
日本伝統野菜とフランス伝統食文化の融合
和歌山の清流からの鮎を米粉焼きと4年熟成パテ シャルトリューズを香らせて、
スイカとコンコンブルのルーロー ミント風味と
江戸伝統野菜馬込半白胡瓜と水茄子のマリネ、冷たいソースオゼイユを添えて
鮎の内臓などを使ったソースの苦味が良い。
山口県萩産天然マナガツオ、
海藻のグラッサージュ、浜中町産塩ウニのピュレと共に焼き上げ、
ジロール茸と酒蒸しツブ貝のフリカッセ、フヌイユのマリネと花を添えて
現代版ソース・ムクラードと共に
マナガツオは上質。バターを使ってとろみを付けたソースが上品だ。ロゼが意外と合う。
国産牛フィレ肉をV.C.C.調理
カンボジア産生胡椒ペーストをぬり、トウモロコシの様々な表現、テイスト、テクスチャーと共に
極上バーボンウイスキーと焦がしトウモロコシのコンソメアンフュージョン
低温調理したフィレ肉にコンソメを掛ける。コンソメを掛ける必然性は乏しいと思うが、丁寧に仕事されたコンソメは単体でも美味しい。
ガトー・マルジョレーヌ@KOMAGATA2019
甘過ぎず上品な味。
日本堤 バッハコーヒーと駒形をイメージした小菓子
エスプレッソと共に。
和食の食材を色々と取り入れているが、フランス料理として美味しいのが良い。創作系の料理に見えるが、ソースやコンソメなどの基本が良くできている。帰りがけに声を掛けてくれたシェフは気さくな方だった。
★★★★.