円形の客室は上品な気品に満ちている。
皿数の少ないMENU SAISONというコースを選んだが、分量は十分過ぎるほどだった。
前菜のアスパラガスは、硬過ぎず柔らか過ぎず、茹で方が最高だ。添えてある毛蟹の下にアスパラガスのクリームのバヴァロアを敷いているが、こちらも濃厚ながら上品な味だ。
バターでゆっくりと火を通したというハタは、身はやや大味だが、グリーン ピースをスプマンテにしたソースが素晴らしい。
鳩は二種類の調理法で供する。肉を焼いた方は、焼き加減も見事だし、ソースが出色の出来だ。添えている縮緬キャベツの優しい味わいも良い。もう一種類は、内臓をミンチにして外側を揚げている。珍しい調理法だが、野趣と上品さのバランスが絶妙だ。
料理に共通して感じるのは、食感が軽いながらも味がはっきり印象に残るということだ。そしてソースが美味しいので、パンに付けて全部すくってしまう。
フロマージュも見事だ。僕は浅はかにもフロマージュはどの店でも似たようなものだと思っていたが、間違っていた。
デセールはアラカルトから選べるが、種類がかなり多く、甘党には嬉しい悩みだろう。僕の選んだ桜のスフレは、きめ細かな食感が素晴らしい。普段は惰性で食べがちなミニャルディーズも印象的だ。
ワインはペアリングを元に、少し内容を変えてもらったが、料理との相性が良い。
接客は付かず離れずだが、プロフェッショナルで、客の様子を良く見ている。
内装、料理、接客の全てが高い水準にあり、素晴らしい時間が過ごせる。
MENU SAISON
AMUSE-BOUCHE
アミューズ-ブーシュ
L’ASPERGE BLANCHE ET LE CRABE KÉGANI D’HOKKAIDO
BAVAROISE ONCTUEUSE AUX ZESTES D’ORANGE, NAVET
ROUGE ET CHAIR DE CRABE
LES POINTES « VERTES », COULIS ÉPINARD/SHISO
JUS CORSÉ DE CRUSTACÉS, POINTE DE BALSAMIQUE BLANC
ホワイトアスパラガス 北海道産毛蟹とアスパラガスのバヴァロア オレンジの香り
紫蘇とほうれん草のクーリィ
ホワイトバルサミコヴィネガーを効かせたクルスタッセのジュ
LE HATA
CUIT DANS UN BEURRE DOUX, FLOCONS DE CAROTTE,
POMME DE TERRE INKA AUX ALGUES DE ROCHE
BOUILLON « IODÉ »DE PETITS POIS
バターでゆっくり火を通したハタとキャロットのフレーク
インカのめざめのキャラメリゼ ポテトのムースリーヌ 岩海苔風味
潮の香るプティ・ポワのブイヨン
LE PIGEONNEAU ROYAL
LE SUPRÊME RÔTI, LA CUISSE FARCIE COMME UN GROS
BARBAJUAN
CHOU VERT AUX HERBES FRAÎCHES, OIGNONS
NOUVEAUX, COULIS VERT DES FANES
JUS « RICHE »
フランス産ピジョンロワイヤルのロティ もも肉のバーバージャン
ちりめんキャベツとフレッシュハーブ 焼きオニオンヌーボー
フォワ入りのジュ
PLATEAU DE FROMAGES AFFINÉS
フランス産フロマージュ
VOTRE CHOIX DE DESSERTS À LA CARTE
アラカルトよりお好みのデセールを
LE SOUFFLÉ « SAKURA/GRIOTTE »
CRÈME GLACÉE AU SAFRAN
桜とグリオットチェリーのスフレ
サフランのアイスクリーム
CHARIOT DE FRIANDISES
フリヤンディーズのワゴン
CAFÉ
カフェ
10/10