Moliere(モリエール)は札幌の老舗レストランで、札幌の中心街からタクシーで10分程だ。店内の基調色は、壁が白、床は明るい茶色の絨毯で、上品な印象を受ける。コースが3種類有るが、予約の際に内容を若干変更してもらった。
アミューズ ブーシュ的な位置付けの品が二皿供される。キッシュ風の玉葱もガスパッチョも、素朴ながら美味しい。
帆立貝は大葉と共に揚げてあり、良質な天婦羅のような味わいだ。
スペシャリテだという野菜の皿は、数種類の野菜を軽く茹でて、複数のソースと混ぜ合わせて食べる。野菜の瑞々さを感じさせる逸品だ。
北海縞海老は、この時期しか取れないそうで、軽く茹でて供する。
鮑は真っ黒で、一瞬驚く。烏賊墨を混ぜ混んだパン粉を表面にまぶしており、意外な素材の組み合わせが効果的だ。
主菜は十勝牛から蝦夷鹿に変えてもらったが、焼き方もソースも見事だ。
デセールの牛乳のソルベは、甘くかつサッパリとした味わい。
お茶菓子は独特だ。多くのフランス料理店がミニャルディーズとして焼き菓子やショコラを供するところで、この店は果物のジュレを供する。このスタイルはとても良いと思う。
料理全般を通じて、素材の良さを引き出すことに徹した調理で、食感が軽いながらも印象に残る。
高級店ながら接客は親しげで、給仕達は客に積極的に話しかけてくれる。
9/10