L'Osier(ロオジェ)の円形の客室は上品な気品に満ちている。客室が地下に在るという特殊な設計だが、天井が吹き抜けとなっており、開放感は十分だ。
2種類のコースとアラカルトという構成。最近のフランス料理店にしては珍しく、予約時でなく、その場で注文を決められる。去年もほぼ同じ時期に訪問したが、メニューはその時とほぼ同じで、新作を次々と出すような店ではなさそうだ。2種類のコースの分量はほぼ同じという給仕の声に押されて、品数の多いデギュスタシオンを頼んだ。
先ずは二皿のアミューズ ブーシュが供される。ブロッコリのヴルーテは、濃厚ながらも、さっぱりとした喉越しだ。ソルベにしたビーツとの食感や温度の対比も良く考えられている。
サーモンやキャビアや西洋山葵を盛り合わせにした前菜は、とても上質だが、料理というより素材という感じがする。
鮑のバター ポッシュは、弾力感が有り、スプマンテにした雲丹のソースが見事だ。
オマール ブルーは、素材も上質で、ソースは軽いが印象に残る。
1時間程掛けてゆっくりロティしたという仔牛は、ハムのような食感で、やや理解が難しかったが、ジュのソースや付け合わせのアスパラガスはとても良かった。
フロマージュは驚くほど質が高く、ソーテルヌと合わせて、陶然とした。
デセールの構成は独特で、先ずはミニャルディーズが、その後でデセールが供され、最後に別のフリヤンディーズがワゴンで供される。デセールはクレープを頼んだが、客の前で調理するという古典的な演出が楽しい。
料理は古典を基にしながら、ソースは現代的に軽めだ。付かず離れずの接客はプロフェッショナル。
MENU DÉGUSTATION ¥29,000
AMUSE-BOUCHE
アミューズ-ブーシュ
LA TRUITE DU MONT-HAKKAI ET LE CAVIAR OSCIÈTRE
CUIT À TEMPÉRATURE DOUCE, PUIS LÉGÈREMENT FUMÉE AU BOIS DE CERISIER
CONDIMENTS « CONCOMBRE », CRÈME DE RAIFORT AU VIEUX XÉRÈS
BLINIS DE MAY QUEEN桜の木で燻製した八海山サーモンとキャビア・オシェトラ
コンディマンを添えた瑞々しいきゅうり レフォールのクリーム ポテトのブリニス
L’ORMEAU NOIR SAUVAGE DE NAGASAKI
CHOU-FLEUR ÉCRASÉ AUX ALGUES DE ROCHES
CÔNE DE NAVET ROUGE FARCI “FOIE D’ORMEAU/OURSIN”
BOUILLON D’OURSIN
長崎県産黒鮑のバターポッシェ
岩海苔入りカリフラワーのエクラゼ 紅芯大根に詰めた鮑の肝
生雲丹のブイヨンソース
LE HOMARD BLEU
LAQUÉ D’UN JUS DE CRUSTACÉS, RAVIOLE « ZEBRA »
FRICASSÉE DE PETITS POIS À LA MENTHE ET JAMBON DE KINTOA
SAUCE CORALLINE
クルスタッセのジュをラケしたオマール・ブルー
ラビオル«ゼブラ» プティ・ポワと生ハムのフリカッセ ミント入り
コラリーヌソース
LE VEAU DE BRETAGNE
LA CÔTE RÔTIE EN COCOTTE, BONBON DE LAITUE “RIS DE VEAU BRAISÉ/CITRON CONFIT”
ASPERGE VERTE « TOUTE BLANCHE » AU VIN JAUNE, AIL NOIR DE KYOTO
JUS À LA MARJOLAINE
ブルターニュ産仔牛のロティ 京丹後フルーツガーリック
サラダ菜に包んだリー・ド・ヴォーのブレゼ グリーンアスパラガスとヴァンジョーヌ香るベシャメルソース
マジョラム風味のジュ
PLATEAU DE FROMAGES AFFINÉS
フランス産フロマージュ
VOTRE CHOIX DE DESSERTS À LA CARTE
アラカルトよりお好みのデセールを
CHARIOT DE FRIANDISES
フリヤンディーズのワゴン
CAFÉ
カフェ
8/10