炭火割烹 いふき

 

「炭火割烹 いふき」は祇園和食店だ。黒い壁の伝統的な建物。店内はカウンターと個室が数室。我々は個室に通された。

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先ずは少しずつ五品が供される。フランス料理のアミューズ ブーシュみたいな感覚だ。海老にカダイフ(中東の細い麺)を纏わせて揚げた品は、サクッとした食感と味噌のねっとりとした食感の対比が出色だった。炭火で焼いた鶉は、旨味が凝縮されている。蟹も上質。

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続く造りは、グジと鮪の赤身。グジは表面を軽く焼いているのが効果的だ。醤油と塩の二種類で食べるが、塩も意外と良く合う。

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鱧と松茸の椀は、上品だが淡白過ぎない出汁が出色。

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伊勢海老は、海老の味噌と白味噌を合わせたソースがとても美味しい。

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茄子と雲丹の皿は、茄子を軽く揚げてから焼いており、複雑な食感だ。これが雲丹と良く合うのが驚きだ。

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焼き物は、4-5種類から二品選ぶ。僕はスッポンと喉黒を選んだ。

スッポンの焼き物は初めて食べた。上質な焼き鳥みたいな感じで、旨味が凝縮されている。

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喉黒は柔らかいながらも、適度な弾力が有り、見事な焼き方だ。

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焼き物は、真空パックで水分を抜いた後に炭火で焼いているという。

口直しの鮎の素麺は、サッパリとした感じ。

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この後のご飯には、揚げた鱧とイクラが添えらている。ご飯の炊き方もとても良く、満腹に近かったが完食した。

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甘味は二種類。数種類の葡萄に蜂蜜を掛けた品も、黒糖を乗せたアイスクリームも上品な甘さ。

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板長は、ずっと和食の世界で生きており、他分野での修行歴は無いそうだが、和食の伝統に固執せずに、新たな要素や技法を積極的に取り入れている。和食を前進させながらも、完成度が高い。

接客はとても丁寧で、好感を抱く。

9/10

京都祇園 炭火割烹 いふき