L'ORANGERIE(オランジュリ)は、繊細な料理を供するフランス料理店だ。
自由が丘駅近く。4卓の小さな店だが、客席の間隔は十分にある。白を基調とした内装は上品で、天井が高いので開放感がある。コースを頼んだ。
アミューズ ブーシュはキチンと手を掛けている。燻った鯖は、微かな燻製香が心地良い。
メニューに載っていないサプライズのアミューズ ブーシュがもう一皿出てきた。新鮮な雲丹の上に、トマトのスプマンテ ソースが掛かっている。ソースは白くて、一見するとトマトから作っているとは判らないが、食べると確かに爽やかな酸味がある。
茹でた上で冷製にしたホワイト アスパラガスは、ホタルイカとの組み合わせが複雑な食感を生み出している。
フォアグラには筍やフキノトウなどが添えられているが、これらの組み合わせが意外と合っている。
マナガツオは、皮を微かに焦がした焼き方が良い。付け合わせはアーティチョークやつぶ貝などで、複雑な食感となっている。
仔牛は若干淡白な味わいだが、胸腺やモリーユ茸が味にアクセントを付けている。
アヴァン デセールのデコポンは、柑橘ならではの酸味が心地良い。
デセールのショコラとバニラは、適度に濃厚な味わいで、料理を印象的に締めくくる。
お茶菓子にもキチンと手が掛かっている。
料理は全般的に上品かつ繊細。食感を工夫した皿が多い。接客は丁寧だが堅苦しくなく、好感を覚えた。
8/10
https://www.lorangerietokyo.com