La Paix(ラペ)は日本橋のフランス料理店だ。
シックだが堅苦しくない内装。夏の定番だという桃を多用したコースを頼んだ。
グラスのシャンパーニュが5種類もあり、Ruinartを頼んだ。
先ずは3種類のアミューズ ブーシュ。チョリソーは、少し甘いクリームと生地の微かな辛さの対比。フレンチ トースト仕立てのパンの上にハムが乗っている。パンは微かに甘く、ハムの塩気との対比。パルメザンのクリーム ブリュレは、見た目はデセールみたいだ。実際に少し甘いのだが、パルメザンの塩気ゆえに、料理として成り立っている。印象的な出だしだ。
冷製の前菜は、鮎とスイカ。鮎は内臓を擦りおろしてパテ状にしている。スイカのソースは甘味と酸味を備えており、鮎の苦味と併せて、複雑な味わいとなっている。
雲丹とトマトの冷前菜。上品なヴィシソワーズのソースに、雲丹やトマト、バジル、桃などが変化を付けている。
次はかなりの変化球。何と冷製のソーメンの上にトマトを乗せ、更にキャビアで塩気を加えている。想定を超えた料理だが、これが中々美味しい。
次も変化球。小さいハンバーガーに桃を挟んでいる。ジューシーな肉に微かに甘みが加わっている。
魚料理は、マリネのイサキに、ベニエの桃という意外な調理方法。
シャラン産の鴨は良質で、これにも桃が添えられ、上品な甘みが加わっている。
アヴァン デセール的な位置付けの皿は、本日一番印象に残った。韃靼蕎麦から作ったクリームにオリーブ オイルを掛け、塩で味を引き締めている。単純そうだが奥行きのある味わいだ。
桃やハイビスカスのアイスクリームは上品な甘さ。
桃を使った皿以外も、全体的に甘みが少しずつ加わっている。創作色の強い料理だが、気を衒った感じはせず、真っ当に美味しいと感じる。接客も丁寧で、好印象。
7/10