(スペイン編からの続き)
バルセロナの5日目の朝にホテルをチェックアウトし、バルセロナ空港へ。Welcome Pickupsの送迎を利用した。バルセロナ空港からシャルルドゴール空港迄はエールフランス。
シャルルドゴール空港のNational Car Rentalでレンタカーを借りる。スーツケースを2個詰めてかつCarplayを使える車種が中々なく、クルマ選びに1時間近く掛かってしまった。結局選んだのはプジョーのSUV。以前プジョーのコンバーティブルを2台乗り継いだことがあるが、プジョーに乗るのは久し振り。ドイツ車みたいなしっかりした乗りごごち。
ロワールはFleur de Loireというホテルに2泊した。貴族の館を近年ホテルに改装したもので、食事は期待ほどでなかったが、部屋は現代的で良かった。
ロワールの二日目は、レンタカーで城を幾つか訪れた。
シュノンソー城 Château de Chenonceau
川に面する優美な城
★★★★.
アゼ=ル=リドー城 Château d'Azay-le-Rideau
こちらも川に面する優美な城
★★★★.
アンボワーズ城
高台に立つ見晴らしのいい城
★★★★.
距離的に離れている城を選んだので、1日に三つしか廻れなかった。
翌日はホテルをチェックアウトしてから、パリへ戻る道すがらブロワ城とシャンボール城に訪れるつもりだった。ここで、今回の旅行で最大の問題が発生した。
朝食を摂っている最中に、みぞれ混じりの雨が降り始めた。地面に落ちる際には溶けて水になっていたので運転には支障がないように思えた。しかし、朝食を食べ終わる頃には、みぞれが白い雪に変わってきた。地面には未だ積もっていないが、クルマの屋根には雪がうっすらと積もり始めている。天気予報では、その日は1日中気温は零度以上で午後には晴れるので、雪は積もらない筈だ。しかし天気予報が外れて雪が積もるかもしれない。チェーンは借りていないし、仮にチェーンが有っても雪道の運転は長年したことがない。パリへの帰り道で立ち往生してしまうかもしれない。
悩んだ末に、レンタカーをBloisの営業所で返して、パリまでの帰りは、プロの運転手が運転するクルマをホテルに手配して貰うことにした。問題はこれでは終わらない。Bloisの営業所に行ったら、営業時間中で営業所には照明がついているのに、人が居なく営業所に鍵が掛かっていた。クルマを借りたシャルルドゴール空港の営業所に電話してみたが、Bloisの営業所が返却を認めなければ空港に返さなければいけないという。途方に暮れたが、ホテルの従業員がレンタカー会社に電話して、Bloisでの乗り捨てを認めさせてくれた。このホテルの従業員は色々と世話をしてくれたので、乏しいキャッシュの中から30ユーロをチップとして払った。
最終的には、レンタカーをBloisの営業所で乗り捨て、プロの運転手のクルマでブロワ城とシャンボール城に寄ってからパリまで行った。運転手への費用は410ユーロ。痛い追加出費だ。結局、雪は積もらなかった。芝生やクルマの屋根には若干積もるが道路には積もらないという程度に終始し、運転には支障が無かった。この地方の人達はこの程度の雪には慣れているみたいだが、僕には判断が付かず、最悪を想定して判断したら無駄となってしまった。運転手が運転するクルマに乗ったので、運転の疲労は無かったが、精神的には疲労困憊して、パリまでの道中は眠ってしまった。
ブロワ城
中規模の城。螺旋階段が有名
★★★★.
シャンボール城 Château de Chambord
驚くほど大きな規模の城。ここも螺旋階段が有名。狩猟の成果の剥製を並べた部屋が有るのが興味深い。城を幾つも見ていくと、王の寝室の類いは見飽きてしまう。庭園も広大。寒かったし時間も無かったので庭園は歩かなかった。
★★★★.
パリでもAirBnbを利用した。ここに5泊する。立地はエッフェル塔の在る地区で地下鉄の駅まで近い。1階(日本式に言えば2階)だが、エレベーターが利用できる。鍵は物理式。この鍵の受け取り方が難しく、また鍵の回し方にコツが必要で、最初は少しストレスを感じた。ロンドンのAirBnbに比べれば、部屋は若干広くシャワー ブースが有るなど、多少は良かった。話は逸れるが、パリのAirBnbはドライヤーやシャンプーが付いていない所が意外と多く、それらが付いている所を絞り込んだ。僕が選んだ部屋は、ドライヤーは付いていたものの、シャンプーの残りが僅かで、買い足しする必要があった。AirBnbを使うには、ある程度割り切りが必要だ。
パリへ到着した日に夕食を摂ったL'Arcaneは、軽い食感が現代的な店で、かなり良かった。
パリの二日目は、 朝一番にBateaux Parisiansに乗って、1時間掛けてセーヌ川を遊覧した。川から見るパリの街並みは美しい。
Sightseeing Cruises - Online exclusive Price
★★★★★
中には入らなかったがシャイヨ宮も眺めた。
天気が良かったので、モンマルトルへ。
宗教心の無い僕だが、Basilique du Sacre Cour サクレクール寺院は荘厳だと思う。
★★★★.
広場からの市街の眺めはとても良い。
★★★★★
Place du Tertreテアトル広場では、画家達が観光客の似顔絵を描いている。
★★★..
適当に見つけたカフェでクレープを食べる。味は日本のクレープと大差無い。
Le Passe-muraille「壁抜け男」
★★★..
丘を下り、ギャラリー ラファイエットとプランタンを見る。何も買わなかった。ユニクロも在った。
Palais Garnierは中に入れる時間過ぎていたので、外から眺めただけ。
Musee du Perfume 香水博物館
香水のボトルなどを並べている。さすがに過去の香り嗅げる訳ではない。入場料無料だが、出口に香水のお土産屋が有るという仕組みだ。申し訳ないが、香水は買わなかった。
疲労がかなり溜まっており、これ以上歩けなくなったので、夕食までは近くのIntercontinentalホテルのロビーでお茶をした。とてもカッコいい場所だ。
夕食を摂ったLe Tailleventは、雰囲気が素晴らしく、料理も上質。
パリの三日目は、ストライキに当たってしまった。年金の受給開始年齢を62歳から64歳に引き上げるマクロン大統領の改革に反対するものだ。地下鉄はほぼ全線が止まり、バスもかなりの減便となる。
この日は先ずQuartier Latin カルティエ ラタンへ。
朝一番にタクシーでLe Pantheon パンテオンに行ってみたが、ストライキと歩調を合わせているのか、中には入れなかった。
近くのL'Université de Paris Sorbonne ソルボンヌ大学を外側から見る。校舎を見るだけなら余り面白くない。
★★★..
Saint-Germain-des-Prés サンジェルマン デプレ
文学者達が集ったという歴史を鑑みなければ、街としては面白くない。
★★★..
Institute du Monde Arabe アラブ世界研究所
ジャン ヌーヴェルの設計で、竣工時には話題となった建築。
★★★..
昼食はPierre Gagnaireで。
疲労が溜まっていたせいか、完食できなかった。
最近人気だというHôtel de la Marine 旧海軍省
ここもストライキのせいで中に入れなかった。最低限の係員が駐在していて、翌日来て欲しいという。また、火災(?)の影響で一部の展示が見られないので、翌日来ても来なくても返金するとのこと。この日はこれ以上観光しても無駄だったので、疲れも溜まっており、宿へ帰って寝ることにした。
パリ4日目は、先ずはMusée d’Orsay オルセー美術館へ。ここも含めてパリの有名美術館の多くは事前予約がほぼ必須となっており、旅先の気分で予定を決めるのが難しい。古い駅舎を改装した建物は、円弧を描く天井が美しい。常設展に加えてムンクの特別展が開かれており、これは見応えがあった。常設展では、ゴッホやゴーギャン、ルノアール、セザンヌ、マネ、モネ、ミレー、ロートレックなどを久し振りに見ることができた。
★★★★★
前日にストライキの影響で見られなかったHôtel de la Marine 旧海軍省へ。旧海軍省が人気というのも不思議だが、要は貴族の館だ。貴族の館を海軍省に転用し、貴族が住んでいた様を見ることができる。軍事的な興味を呼ぶものが展示されている訳ではない。ロワールで城を幾つか見てきた後だと、そんなに興味深くなかった。
★★★..
Palais Royalの中庭は都心とは思えない広さ。
★★★★.
Galary Vivienne
ショッピング アーケード。3年前に来た時は夕方で大部分の店が閉まっていた。今回は活気があった。買い物はせず、見るだけ。
★★★..
ルーヴル美術館も事前予約がほぼ必須。広大な美術館なので、見どころを幾つかに絞って2時間半ほどでまわった。モナリザの前はさすがに混んでいる。
★★★★.
夕食を摂ったLe Cinqは、2019年に訪れた時ほどの感動は無かったが、それでも個性的で印象に残る料理だ。
Louis Vuittonの店に草間彌生の巨大なオブジェが飾られていた。
パリ5日目は、先ずはPlace de la Bastille バスティーユ広場へ。改装されてサンマルタン運河へ降りられるようになっている。
★★★..
ピカソ美術館は数階建ての建物だが、ピカソの作品はその一部のみで数は少ない。生涯振り返る動画などを見ることはできる。
★★...
Samaritaine サマリテーヌ百貨店は改装を経て最近再開店した百貨店。階段が美しい。連れがiPhoneを首から吊り下げるアクセサリーを買い求めた。
★★★★.
Conciergerieコンシェルジュリーはマリーアントワネットが投獄されていた建物。
★★★..
火災にあったノートルダム寺院の再建が少しずつ進んでいる。まだ、かなり時間は掛かりそうだ。
★★★★.
夕食を摂ったL'ARCHESTEは日本人がオーナーシェフの店。日本的な要素がありつつも、堂々としたフランス料理。
パリの最終日は、フライトの時刻が遅いので、昼頃まで観光を続けた。
Musée d'Art Moderne de Paris パリ市立近代美術館
Dufyの大作とマティスの大作を再見。入場料は無料。
★★★★★
Fouquet'sでお茶をする。室内の雰囲気はカフェの中では高級な方。
★★★★.
Beaupassage
最近人気だと言うショッピング モール。泊まっている宿から近かったこともあり訪問した。ピエール エルメのマカロンをお土産に買う。
★★★..
ロダン美術館
パリに来る度に訪れている。屋外の庭に彫刻が置けれているのが良いが、今回は残念ながら庭の大規模改修とぶつかってしまった。日本では良く使われている傘の水切りが置いてあったのには驚いた。
シャルルドゴール空港までの送迎もWelcome Pickupsを使った。指定した時刻よりかなり早めに宿の前まで来て待機してくれていた(その旨がメッセンジャーで伝えられる)。タクシーの料金とは比較していないが、特に割高ではないと思う。
Welcome - Making travel easy, friendly, personal
旅行実際全体を通じた感想などを幾つか。
いまだに日本では殆どの人がコロナ対応でマスクをしているが、イギリスでもスペインでもフランスでもマスクを着用している人は少ない。皆無ではない。感覚的には10%程度だろうか。スペインでは地下鉄やバスでは着用の義務が有るみたいだが、守っている人は少ない。シャルルドゴール空港で日本の航空会社であるANAに乗ったら、いきなりマスクの着用を求められて驚いた。
イギリスでもスペインでもフランスでも、クレジット カードの非接触決済がとても普及している。従って、iPhoneユーザーの僕はApple Payで決済することが多かった。
ロンドンはオイスター カード(日本のSUICAみたいなもの)が無くても、Apple Payで地下鉄やバスに乗れる。しかも、1日に複数回乗った場合には料金に上限が適用されるプライス キャップ制がある。この辺りの事情は日々変わっていて、事前に調べたらVisaとApple Payの組み合わせでは地下鉄に乗れないという情報も有ったが、僕は問題無しに乗れた。博物館などでは、逆に現金お断りのところも有る。レストランでもクレジット カードの非接触決済だが、金額が高いとApple Payでなく物理カードが必要なこともあった。これがApple Payの制限かクレジット カードの制限かは判らない。ロンドンでは現金を一回も使わなかった。以前、ロンドンの人達は現金を数ポンドしか持ち歩かないと読んだことがあるが、それが実感できた。Clivedenに泊まった際は、ポーターやハウスキーピングへチップを若干払った。払わなくても問題にならないと思うが、念のため。個人的な勘では、これだけキャッシュレスが進むと、その内チップの習慣も完全に無くなりそうな気がする。思いも寄らない所で現金を使ったのはBathのRoyal Crescent Hotel。ホテルの前にレンタカーを停めようとしたら、10ポンド要求され、それは現金で払った。交渉したら、それもクレジット カード払いにできたかもしれないが。ロンドンとその郊外を通じた7泊で現金を使ったのは20ポンド弱だろう。
バルセロナもキャッシュレスが進んでいる。レストランでもカフェでも小さな個人商店でもApple Payで決済できた。バルセロナで現金を使ったのは2回だけ。サグラダ ファミリアともう一つ別の美術館で、恐らく防犯対策のためだと思うが、鞄をコイン ロッカーに預けるよう求められ、その際に1ユーロ コインが必要だった。この1ユーロはコイン ロッカー利用後に返却されるので、性質としてはデポジットだ。恐らく、Apple Payでいったんデポジットを払って後にApple Pay経由で返金する仕組みが無いので、ここだけは現金が必要なのだろう。
フランスでは、ロワールのFleur de Loireで念のために枕銭を置いたし、レンタカーのトラブルの際に助けてくれた従業員に30ユーロ渡した。しかし、パリへ移動してからは現金を全く使わなかった。
イギリスやスペインやフランスでは、五千円から1万円程度両替しておけば十分という気がする。
食事について言えば、2019年にフランスへ訪れた時も感じたが、現在の日本のフランス料理はフランスとほぼ同等の水準にある。フランスのミシュラン星付き店で食事をしても「こんな美味しいフランス料理は日本では食べられない」と思うことがない。食事目当てで外国に旅行する動機は乏しくなりつつある。
旅行の手配は過去2回利用した旅行代理店を利用したのだが、勝手が異なった。過去2回は、フライトとホテルとレンタカーを全て込みで手配してもらった。しかし今回は、レンタカーの手配は行わないし、AirBnbを自分でする手配するのは当然だが、バルセロナとロワールのホテルは提携していないと断られてしまった。結局、旅行代理店が手配したのはフライトとClivedenだけで、殆どを自分で手配することになってしまった。コロナ禍の最中に業務範囲を縮小したのだろうか?これでは手数料を払って代理店を使う意味が無い。