洲崎パラダイス

川島雄三 洲崎パラダイス (1956)

 

地方から上京してきた義治(三橋達也)と蔦枝(新珠道代)は、仕事を求めて赤線地帯の洲崎を訪れる。首尾良く飲み屋の仕事を見つけた蔦枝は、男客のあしらいが巧く、小金持ちの客に鮨を奢っておらったり、アパートまで借りてもらう。一方の義治は、蕎麦屋の出前の仕事を見つけたが、やる気がなく、ダラダラした日々を送る。甲斐性のない義治は、男客達といちゃつく蔦枝に不満を募らせる…

 

人物造形が良い。本作の登場人物達は世間の常識からするとダメな人間達だ。収入の低い男が、自分のオンナが小金持ちの男になびくのを見て鬱屈が溜まるというのは、他の時代でもありがちなことだが、俳優達がこれらのダメな人物達を好演している。

 

★★★・・