2004-01-01から1年間の記事一覧

アマデウス

Milos Foreman, Amadeus (1984) この映画を観ると、モーツァルトの軽薄な哄笑が耳にこびりついてしまう。偉大な作曲家の素顔は、乱痴気騒ぎが好きで下品な大酒飲みだった。周りの人間が目をむくような軽薄な笑い方をする男の生み出す作品が、その作者と似て…

'O Pulecenella

クリスタル ケイのコンサートを聴いた後,横浜の'O Pulecenella(オ プレチェネッラ)で夕食をとった。ここで食べたのは10ヶ月ぶりだ。クリスマスということで,超満員で,コースのみ選択可能だった。 「先出し」は,フォアグラのテリーヌと栗のスープと根セロ…

クリスタル ケイ公演

1年半ほど前だろうか,何気なくつけていたMTVで"Boyfriend Part 2"のビデオに鮮烈な印象を受けてから,クリスタル ケイは最もお気に入りのミュージシャンの一人となった。普段コンサートにはほとんど行かない僕だが,クリスタル ケイは是非生で見てみたいと…

ヴィタール

「鉄男」の塚本晋也の最新作「ヴィタール」を観た。 交通事故で記憶を失った高木博史(浅野忠信)は,医大に入学する。数ヶ月に及ぶ解剖実習が始まると,自分が若い女性と過ごしている幻覚が頭の中に浮かぶようになる。死体の腕に刻まれた刺青から,その死体が…

Saw

ジェームズ ワン"Saw" 東銀座で"Saw"という映画を観たが,良くも悪くも強烈な作品だった。 連続猟奇殺人犯Jigsawに監禁されたアダム(Leigh Whannell)と医師のゴードン(Cary Elwes)は,逃れる方法を必死で探す。自宅の妻と娘も監禁されたことを携帯電話で知っ…

カストール

映画「オールド ボーイ」を観た後,代々木上原のフランス料理店カストールで夕食をとった。ここは春に食べたアスパラガスが印象的だった。 今回,僕が頼んだのは,「新たな秋の記念メニュー」(10,000円)。 前菜は「玄海灘で取れたフグにトリッフの香りをのせ…

オールド ボーイ

パク チャヌク「オールド ボーイ」 評判の韓国映画「オールド ボーイ」を有楽町に観に行った。 酒癖が悪いが平凡な中年男のオ デス(チェ ミンシク=Min-sik Choi)は,ある日突然誘拐された。理由もわからず15年間監禁された後,突然開放される。鮨屋で知り合…

妖しい煌き - 曜変天目茶碗

曜変天目(ようへんてんもく)茶碗を目当てに,世田谷区の静嘉堂文庫美術館を訪ねた。曜変天目茶碗とは,中国宋時代の陶磁器の一種で,世界に3点しか現存せず,その全てが静嘉堂文庫美術館を含めて日本にあるそうだ。「曜変」とは元来「窯変」「容変」を意味し…

アンリ マティス展

アンリ マティスは,僕が最も好きな芸術家の一人だ。大胆な色使いと,時として単純化された形態。それはしかし,情熱に任せて描いたというのとは少し違う。マティスの絵は,大胆であっても理知的な感じがする。 上野の国立西洋美術館で開催されてているマテ…

長瀞の川下り

いい天気だったので,埼玉県の長瀞(ながとろ)へ川下りに行ってきた。 水深わずか1メートルほどの美しい浅瀬を,2名の船頭が操る舟で下る。舟に乗っている時間は20分ほどだ。 景色も美しく,ところどころ若干スリルのある箇所もあり,かなり楽しめた。 しかし…

モーターサイクル ダイアリーズ

ウォルター サレス 「モーターサイクル ダイアリーズ」 革命家チェ ゲバラの若き日を描いた映画を恵比寿で観た。 23歳のアルゼンチンの医学生エルネスト ゲバラ(Gael García Bernal)は,親友アルベルト(Rodrigo De la Serna)と共に,おんぼろのモーターサイ…

iPod Mini

昨今大変な勢いで売れているiPod。僕は最近まであまり興味が無かったのだが,ふとしたきっかけで購入した。 きっかけというのは,会社のオフィスの移転だ。今までは通勤中に歩く時間がほとんど無く,バスや電車の中では新聞や雑誌を読んでいた。しかし,新し…

山猫

ルキノ ビスコンティの「山猫」復元版を新宿まで観に行った。退色した色を元通りに復元したという触れ込みのものだ。 祖国統一戦争の最中,1860年代のイタリアはシチリア島。名門のサリーナ公爵(Burt Lancaster)は,時代が変わりつつあることを理解しつつも…

Ristorante e Pizzeria da Ivo

アリシア キーズのコンサートが終わった後で,広尾のRistorante e Pizzeria da Ivoで遅い夕食をとった。広尾とは言っても,むしろ恵比寿からのほうが近いのだが... 前菜の,モッツェレラを乗せた野菜サラダは,まあまあ。インゲン豆の煮込みとムール貝を合わ…

アリシア キーズ公演

は最近ロックやR&Bのコンサートにはほとんど行かない。最後に行ったのは2-3年前のメアリー J. ブライジだろうか。そんな僕だが,昨日は最近お気に入りのアリシア キーズのコンサートに行ってきた。 CDで聴くアリシアに,繊細な人という印象を勝手に抱いてい…

奥多摩

遅ればせながら,カー ナビゲーション システムを購入した。早速試してみたくなり,昨日奥多摩までドライブに行った。 順路は,奥多摩湖 ⇒ 日原(にっぱら)渓流釣り場 ⇒ 日原鍾乳洞 ⇒ 鳩ノ巣渓谷 というもの。 奥多摩湖までカーナビが選んだ順路は,中央高速…

父、帰る

ロシアのアンドレイ ズビャギンツェフという監督の「父、帰る」という映画を新宿で観た。 ロシアの片田舎に住むアンドレイとイワンの兄弟のもとに,12年間音信不通だった父が突然帰ってくる。12年の間に何があったのか,父も母も語らない。父は自動車で兄弟…

誰も知らない

是枝 裕和 「誰も知らない」 主演の子役(柳楽優弥)がカンヌ映画祭の最優秀主演男優賞を獲得したことで話題となった「誰も知らない」を観に行った。カンヌ効果のせいか,客の入りはとても良かった。 4人の子供を抱えた母子家庭の母親(YOU)が,新しい男に夢中…

等々力渓谷

残暑で気温が30度を超えた昨日,涼を求めて等々力(とどろき)渓谷を散策した。 ここは,等々力駅近くにある,東京23区には珍しい渓谷だ。ゆっくりと往復すれば小1時間程度だろうか。小川の両岸は人工の石で固めてあり,本当の自然とは若干異なる。それでもし…

華氏9/11

マイケル ムーア 「華氏9/11」 昨日(9月11日)に「華氏9/11」を恵比寿ガーデン プレイスの映画館で観た。映画自体もかなり話題となっているし,9月11日テロの3周年だったせいかもしれないが,映画は大変な人気で,開始45分前に行ったらほぼ定員近くまで券が売れ…

オレンジ レンジ「ロコローション」

時々,耳に残って離れない曲がある。必ずしも名曲とは限らないが,サビが極めて個性的な曲などだ。 この夏,最も耳に残ったのがオレンジ レンジのロコローションだ。 下世話な曲に下品な歌詞。水着の女の子達が踊るプロモーション ビデオも,上品とは言いか…

スパイダーマン2

サム ライミ「スパイダーマン2」 僕は普段ハリウッドの大作はほとんど観ない。スパイダーマン2は,しかし,日経の映画評で高くされていたので,例外的に観に行った。結果は... やはりハリウッドの大作は大味だ。 スパイダーマンことPeter Parker (Tobey Magu…

ブラッド シンプル

ジョエル コーエン 「ブラッド シンプル」 週末に多少時間があったので,レンタル ビデオ屋でJoel Coenの"Blood Simple"を借りて観た。 バーのオーナーのMarty (Dan Hedaya)が,浮気をした妻Abby (Frances McDormand)とその愛人Ray (John Getz)の殺害を私立…

豊源

久しぶりに学芸大学駅近くの豊源に行った。相変わらず,極めて高水準の鮨を,妥当な値段で供してくれる。 ここには何回か来ているが,突き出しに蒸し鮑が出たのは初めてだ。柔らかくかつ弾力のある食感は素晴らしい。次に出た,オコゼの刺身と焼いた鱧も見事…

ウィンブルドン決勝

過去1-2年程度でテニスの試合をあまり観なくなってしまった。僕のお気に入りは,マッケンロー⇒エドベリ⇒アガシと移り変わってきた。サンプラスは凄い選手だということは認めるが,凄い割には個性がやや弱いような気がして,余り好きではなかった(嫌いでは…

ホワイト ストライプスとN.E.R.D.

時々妙に耳にこびりつく音楽がある。 最近の例では - と言っても数ヶ月前の曲だが - The White Stripesの"Seven Nation Army"やN.E.R.D.の"She wants to move"がそうだ。The White Stripesはブルーズを現代的に解釈したバンドとして捉えられているようだが,…

無二路

休日出勤の帰りに,会社から一駅の笹塚近くの無二路(ムニロ)というシチリア料理店で夕食をとった。 前菜の盛り合わせは,蛸のマリネ,ピーマンのマリネやオムレツなど,色とりどりで楽しい。僕が頼んだパスタは,リコッタ チーズのソースと小海老のフェトチ…

博多名物

博多の食べ物で名物とは通常何だろう?有名なのは明太子と豚骨ラーメンか? 金曜日に日帰りで博多に出張に行ってきた。日帰りだったので,ろくに観光はできず,帰りに福岡空港の土産物屋で目に付いたものをそそくさと買った。 さすが明太子が有名なだけあっ…

ジョン ボーナム再発見

"Led Zeppelin DVD"を、遅ればせながらようやく観た。1年位前に発売された時に大変な反響を呼んだが、僕はツェッペリンの熱心なファンでなかったせいか、その時は何となく買いそびれてしまったのだ。 改めて観てみると、彼らのライブの決定版と銘打っている…

プリンスは復活するか

僕は、プリンスの全盛期はParadeやAround the World in a Dayの頃だ、と思っている。この頃のプリンスの音楽は不思議な感覚を備えている。ファンクなリズムでありながら、どこか醒めた感じがし、熱さが感じられない。にも関わらず、奇妙な艶かしさと肉感があ…