ジョン ボーナム再発見

"Led Zeppelin DVD"を、遅ればせながらようやく観た。1年位前に発売された時に大変な反響を呼んだが、僕はツェッペリンの熱心なファンでなかったせいか、その時は何となく買いそびれてしまったのだ。

 

改めて観てみると、彼らのライブの決定版と銘打っているだけあって、充実した演奏が多い。硬質だがどこかうねるようなドライブは、独特のものだ。ツェッペリンの4人は白人だが、音の感触は黒っぽい。この辺りは、当時ライバルだったディープ パープルとはずいぶん異なる。

 

熱心なファンには怒られそうだが、ジミー ペイジのギター ソロは、しばしば感覚が古臭く感じた。ロバート プラントが歌っている時にバックで弾いているリフは非常に印象的だが... "Dazed and Confused"(「幻惑されて」)などで延々と長時間のソロをとっている時は少々退屈してしまった。

 

このDVDはいくつかの年代の演奏を収めているので、演奏の変遷がわかって面白い。ロバート プラントの咽が、末期にあたる1979年の演奏ではかなり衰えている(高音が苦しい)のは、ちょっと痛々しい。

 

今回個人的に再発見したのは、ジョン ボーナムのドラミングだ。音の力強さは比類無い。単純に、あれだけ激しいドラミングを長時間し続けられるだけでも、驚くべきことだ。最近の音楽においては生のドラミングは余り使われないが、打ち込みでは実現できない生ドラミングの世界がある。ツェッペリンは、ライブでもバック ミュージシャンを入れずに、4人だけで演奏している。にも関わらず音が分厚いのは、ボーナムに拠るところが多いと思う。

★★★・・