ララランド

Damien Chazelle, La La Land (2016)

オーディションに落ち続けながらも、女優への道を諦めないミア(エマ ストーン)。エマはふとした切っ掛けで、ジャズ好きのセバスチャン(ライアン ゴスリング)と出会う。

セバスチャンは、現代では流行らない昔のジャズが好きで、チャーリー パーカーを崇拝している。そんなセバスチャンの夢は、自分のジャズ クラブを開店することだ。ピアニストでもあるセバスチャンは、レストランでBGMを演奏して生計を立てているが、ある晩、場にそぐわないような難解な曲を演奏して、首になってしまう。

エマは一人芝居に殆ど客が入らず、失意に打ち砕かれるが、演技を見た評論家に気に入られ、飛躍の切っ掛けを掴む。

今風のポップなジャズを演奏するバンドへの加入を誘われたセバスチャンは、その音楽が自分好みでないと思いつつも、生活のために加入する。バンドは人気を博し、約2年間のツアーを行ない、セバスチャンとエマは疎遠になり、別れてしまう…

数年後、既に結婚し、中堅女優として活躍しているエマは、夫と歩いている最中にあるジャズ クラブを見つけた。店の名前はSeb’s。セバスチャンの愛称だ。胸騒ぎを感じながら中に入ったエマが見たのは、他でも無いセバスチャンが司会とピアノの両方をこなしている姿だ。夫の存在を忘れ、セバスチャンとキスするミア。二人はかくて幸せな再会を果たしたのだ…

僕は今までミュージカル仕立ての映画を好きになったことが無い。台詞を喋っている俳優がいきなり歌を唄い出すのが、どうも不自然に感じられてしまう。本作でも途中まで居心地の悪さを感じていたが、ラスト シーンは気に入った。セバスチャンと再開したエマが、夫が居る前でセバスチャンとキスし、二人が幸せになるという嘘くさい展開も、俳優たちが歌を唄いながらだと見ることができる。ミュージカルには不思議な力がある。

★★★・・

 

以下、若干のネタバレ有り。

 

 

 

 

上述のラスト シーンの後に、本作はもう一捻りした本当のラスト シーンを追加する。これはハッピー エンドでなく、俳優たちは唄わずに台詞を喋る。唄のパートと台詞のパートの使い分けが興味深い。