ボヘミアン ラプソディー / Bohemian Rhapsody

Bryan Singer, Bohemian Rhapsody (2018)

僕はクイーンに思い入れがなかったが、この映画を見てからというもの、クイーンの音楽が頭の中で鳴り止まない。

本作は冒頭からフレディ マーキュリー(Rami Malek)の葛藤を描く。移民という出自や歯並びの悪さを周りの人達に揶揄されながらも、強い自信を抱き続けるマーキュリー。クイーンに後から加入しながら、才能と強い個性で、リーダー的な地位を築いていく。

どこまで史実に忠実か判らないが、レコード会社の保守的なエグゼキュティブ達とクイーンの対立が面白い。表題のボヘミア ラプソディは、複雑な構成で6分もある楽曲で、レコード会社から絶対売れないと言われながらも、クイーンの四人は本作への絶対的な自信を崩さない。保守的な見方を崩さなければ、新しいものは生まれないのだ。

マーキュリーは、若くして女性と結婚しながら、やがて自身の同性愛志向に目覚めていく。パーティで男性の愛人を狩る日々。それが当時は不治の病いだったエイズに繋がっていく。

映画は終盤でマーキュリーの危機を描く。他の三人との仲違いと和解。衰えていく肉体...

近くの客席に感極まって泣いている人が居た。僕も少し涙腺が緩んでしまった。

★★★★★