バリー リンドン

Stanley KubrickBarry Lyndon (1975)

 

舞台は18世紀の欧州。アイルランドのしがない農民の出ながら、機知とイカサマ賭博と政略結婚を駆使してイングランドの上流階級に上り詰めた男、バリー リンドンの成り上がりと転落の様が描かれる。

 

貴族たちが晩餐を摂ったり賭け事に興じたりする場面で、ロウソクの光のみで撮影したという自然な陰影が印象的だ。人物造形やストーリーも良くできている、と言いたいところだが、その割に感銘をあまり受けないのは何故だろうか。本作は古典的な風格を備えた大作といった趣だが、その余りに大作然とした感触が印象を弱めているのかもしれない。

★★・・・