不都合な真実

Davis Guggenheim, An Inconvenient Truth (2006)

 

元米国副大統領アル ゴアが地球温暖化の問題に取り組む様を描いた作品。

 

ゴアの講演をそのまま映した部分が多いが、この講演に圧倒的な説得力が有る。膨大なデータを解りやすく視覚化するとともに、氷が少なくなった南極や干上がったアフリカの湖など、温暖化の被害を受けた地域の豊富な写真を交えて、情熱的かつ理路整然と語る様が見事だ。内容と技巧の両方が極めて高い水準にあるプレゼンテーションだ。

 

ゴアが大学生の頃から地球温暖化の問題に関わってきたというのも驚き。自分の立場が米国の多数派となるには至っていない中、一人でも多くの人に理解してもらおうと全国を講演行脚する情熱に感じ入る。

 

歴史に「もし」は禁句と知りながらも、思ってしまう。「もし、(僅差で敗れた)2000年の大統領選でゴアが勝っていれば、米国と世界はもっと良い方向に行っていたのに…」

★★★★★

(WOWOWで録画)