猟奇的な彼女

クァク・ジェヨン、「엽기적인 그녀」(2001)

 

女子大生の「彼女」(作中では彼女の名は明かされない)と偶然出会ってしまった男子大学生キョヌが、「彼女」との風変わりな思い出を振り返る。

 

この二人はしばしば会うようになり、傍目には恋人同士に見えるが、二人の交流はまるでデートっぽくない。「彼女」は顔は可愛らしいが、性格は完全に男勝り。いつも「彼女」が主導権を握り、キョヌの言動が気に食わないと、直ぐに声を荒げ、時にはビンタを食らわす。気弱なキョヌは、「彼女」に惹かれつつも、その強烈な個性に圧倒され、なかなか恋人関係になれない。

 

「彼女」の人物造形が痛快だ。現実の世界でこんな女性と付き合いたいとは思わないが、映画で見るぶんには、その小気味良さに気持よく笑ってしまう。

 

二人は半年くらい会い続けながらも恋人関係にはならず、「彼女」の提案で別れることになる。映画の終盤で「彼女」のこの不可解な行動の理由が明かされ、二人は思いがけず再開を果たす。作品の全体が笑いの要素に満ちている中で、ハッピー エンディングがいい感じだ。

 

★★★★・

 

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