みなさん、さようなら

公開時に見逃したDenys Arcandの「みなさん、さようなら」(Les Invasions barbares)をレンタルで観た。

 

カナダはケベック州の大学でしがない歴史の講師をしていたRémy (Rémy Girard)と、ロンドンで投資銀行家として成功している息子のSébastienは、折り合いが悪く、滅多に顔を合わせることがない。女好きで人生を享楽的に生きるRémyには、金が全ての投資銀行家は理解しがたい生き物なのだ。

 

しかし、Rémyのガンが末期症状であることを聞いたSébastienは、婚約者とともに、久しぶりにRémyのもとを訪ねる。Rémyの最期の日々を楽しいものにすべく、Sébastienは、Rémyのかつての友人達や愛人達を病室に呼び寄せ、次いで皆で湖畔の別荘へ泊まりに行く。思い出話に花を咲かせたRémyは人生の最期を穏やかな気持ちで迎える…

 

良い治療にはお金がかかるということ、痛み止めのヘロインの注射、そして安楽死など、重い主題を軽妙に扱った映画だ。Rémyと知人達の会話も、下ネタ満載だが洒脱で楽しい。しかし、映画としてはそんなにいいとは思わなかった。この映画の魅力は登場人物の会話にあるが、それと比べて映像には余り魅力が無い。この点では、エリック ロメールの映画を思い出してしまった。

★★★・・