犬神家の一族

市川崑犬神家の一族(1976年)

 

昭和22年、信州財界の大物、犬神佐兵衛が死去する。遺言は、佐兵衛の恩人の孫娘が選んだ婿に遺産を継がせると定めていたため、相続争いが勃発し、婿候補が次々と殺害されてしまう。犬神家の顧問弁護士に調査を依頼された探偵の金田一耕助は、驚くべき真相を突き止める…

 

開始後早い段階で真相が解ってしまい詰まらない、と思ったら物語は別の方向へ動き出し、最後は思いも寄らぬ展開になる。婿候補の一人が戦争で顔がケロイド状になったため白いマスクを被っている姿や、別の婿候補が首を切り落とされた姿など、視覚面の印象も強烈だ。暗くドロドロした物語と、石坂浩二演じる金田一耕助の間が抜けた感じの対比が面白い。良くできたミステリーだ。

★★★★・

(WOWOWで録画)