ローズマリーの赤ちゃん

Roman PolanskiRosemary's Baby (1968)

 

1960年代のニューヨーク。売り出し中の俳優ガイ(John Cassavetes)と幸せな新婚生活を営むローズマリー(Mia Farrow)。

 

ライヴァルの俳優が失明したことから、ガイは大きな芝居の主役を射止める。そして、ローズマリーは待望の子供を身ごもる。全てがうまく行っている二人だが、ローズマリーは極端なつわりに悩まされる。医師に相談しても問題は無いと言われるが、亡くなった友人の形見の本を読んだローズマリーは、疑念をいだき出す。お節介なほど親切な隣人、名医との評判の産婦人科の医師、そして自分の夫。彼らは何かを企んでいるのではないか?

 

子供を流産したと聞かされて、失意に沈んだローズマリー。隣家のパーティに不意打ちで乗り込んで観たものは...

 

やせこけて、神経症的な感じを醸し出すファローの演技が秀逸だ。自分の子供が狙われていると疑い始めてから、周りの人間が信じられ無くなってしまう。誰も信じられないという状況が、この作品の後半に不安感を与えている。

 

本作の終わり方には、賛否両論があるだろう。本当にローズマリーの赤ちゃんは狙われていたのだろうか? 情緒不安定な妊婦の単なる思い込みではないか? 本作は、最後の場面でその真相を明らかにするが、僕は真相を明らかにしない方が、作品に余韻が残ったと思う。

 

★★★・・

(WOWOWで録画)