現代の男子テニス界では、トップ クラスの選手の身長は180cm台後半が主流だ。今年の全米オープン男子準決勝は、身長196cmと大型のトマス ベルディヒと、身長175cmと小柄なダヴィド フェレールが準決勝まで勝ち上がったが、結局二人とも優勝はできなかった。
オープン化以降の選手でグランド スラム優勝回数が4回以上の選手を、活躍した時期に沿って並べると以下のようになる。
選手名 |
GS優勝回数 |
1位在位 |
身長(cm) |
Ken Rosewall |
8 |
N/A |
170 |
Rod Laver |
11 |
N/A |
173 |
John Newcombe |
7 |
8 |
183 |
8 |
268 |
177 |
|
11 |
109 |
180 |
|
7 |
170 |
180 |
|
8 |
270 |
187 |
|
Mats Wilander |
7 |
20 |
182 |
6 |
72 |
188 |
|
Boris Becker |
6 |
12 |
190 |
4 |
58 |
185 |
|
14 |
286 |
185 |
|
8 |
101 |
180 |
|
17 |
296 |
185 |
|
11 |
102 |
185 |
|
5 |
53 |
188 |
(ランキングは2012年9月17日現在、グランド スラム優勝回数はアマチュア時代も含む)
1950年代から60年代のローズウォールやレイヴァーは、身長が170cm前後と、かなり小柄だった。1970年代後半から80年代前半の、コナーズやボルグやマッケンローは、前の世代に比べれば背が高くなったものの、それでも身長は180cm前後だった。
パワー テニスの時代を切り拓いたレンドル以降は、更に大型の選手が増えてきたが、体格の大型化は際限なく続くわけではない。この表を見ると、身長の上限は190cm程度だ(ちなみに、全米で優勝したマレイは190cm)。身長が高いほうが、パワーの面では優位だが、俊敏性が犠牲になる。最近ではベルディヒ以外にも、デルポトロ(198cm)やイズナー(206cm)、シリック(198cm)、ラオニッチ(196cm)など、190cm台後半以上の超大型選手が増えてきているが、彼らはフェデラーやナダルやジョコヴィッチに並ぶ存在とはなっていない。パワーと俊敏性を両立できる身長は、180cm台後半なのだろうか。