影武者

黒澤明、「影武者」(1980)

 

戦国時代の武将、武田信玄(仲代達矢)は、戦で鉄砲に当たり、命を落としてしまう。対立する織田信長徳川家康の攻撃を恐れ、死を秘するようにという信玄の遺言に従い、重臣達は信玄に良く似た者を影武者(仲代達矢)に仕立て上げる。最初のうちは危なっかしかった影武者も、次第に慣れてきて、まるで信玄そのもののような雰囲気を身に着けていった。しかし、調子に乗った影武者は、ある失敗を犯したために、側室達に偽者だと見破られてしまう。影武者は追放され、信玄の息子の勝頼が家督を次ぐ。自慢の騎兵隊を率いた勝頼は、織田信長に戦いを仕掛けるが、鉄砲を大量に装備した織田軍に完敗してしまう...

 

重厚な作品だ。脚本は練られている。武田の騎兵隊が夕日の中で長い列を作っている場面は美しい。

 

良い作品だと思うが、僕との相性はあまり良くなかった。3時間弱という尺は長すぎると感じた。特に冗長という場面が有った訳ではないが、もう少し短くしたほうが良かっただろう。

 

時代劇というのは難しい分野だ。主題に普遍性が無ければ、現代に通用しないのではないだろうか。影武者の苦悩という主題は、現代ではほぼあり得ないことなので、余り共感できない。

 

★★★・・