パーフェクト センス

David MackenziePerfect Sense (2011)

謎の伝染病により、世界中の人々の嗅覚が、次いで味覚が失われてしまう。レストラン業界は当初大打撃を受けるが、シェフのマイクル(ユアン マグレガー)は、温度のバリエーションと舌触りに拘ったメニューを作り、味覚を失った顧客を呼び戻す。しかし、伝染病は更に悪化し、人類は聴覚も失ってしまう。伝染病の副作用で怒りっぽくなったマイクルは、恋人のスーザン(エヴァ グリーン)に当たり散らし、スーザンは去ってしまう。伝染病は次の段階に進行し、最悪の事態が起こる...

 

 

幸いにして健康な体で居ると、五感が働くことが当然と思ってしまうが、この映画を見ると五感の有難味を感じるようになる。嗅覚、味覚、聴覚と順々に失われていくと、観客は次に起きることを想像するようになる。そして、結末はその予想通りになるのだが、その描き方は若干違和感を覚えさせるものだ。視覚を失っても人々は(文字通り)触れ合って、互いの息遣いを確かめて幸せを感じた、というのは楽観的すぎるのではないだろうか。とは言え、視覚が失われた人類の生活が崩壊したという結末だったら、余りに悲惨すぎるだろう。この監督は極めて難しい題材を選んだものだ。

 

★★★・・