トスカーナ旅行

いつの頃からだろうか、トスカーナを訪れたいという気持ちが、自分の中で少しずつ大きくなってきた。旅行雑誌などで見掛ける、広大な葡萄畑の間に糸杉が並んだ印象的な光景を、自分で見てみたいと思ったのだ。

8月初めに1週間の休暇が取れたのだが、問題は日程だ。日本から直接トスカーナに訪れる術はない。フィレンツェには2回行ったことがあるので、再度行くのは気が進まなかったが、フィレンツェ以外だと、ローマ経由位しか選択肢がない。結局選んだ日程は、フィレンツェで2泊し、その後トスカーナモンタルチーノ近郊で3泊し、最後にローマで2泊するというものだ。

2013年8月3日(土)

パリ経由でフィレンツェに入り、ホテルにチェックインしたのは21時近く。機内で軽く食べていたこともあり、ホテルから歩ける距離の店で、軽い夕食を摂ることにした。行き当たりばったりで入った店は、Neromo という現代的な感じの店だ。シンプルなピッツァを1枚注文し、二人で分ける。ピッツァの味は、日本でも食べられる水準。

2013年8月4日(日)

フィレンツェ散策

朝一番でアカデミア美術館を訪れる。目当てはミケランジェロダビデ像(★★★★・)。実物は巨大なので、写真では味わえない迫力がある。写実的な彫刻だが、手と足の指が不自然にごつい感じがする。モデルがそういう体型だったのだろうか。それとも、力強さを出すために、意図的にデフォルメしているのだろうか。

アカデミア美術館からドゥオモの辺りまで散策する。ドゥオモ(★★★★・)は巨大な教会だが、外装に緑やピンクなどの色があしらわれているので、華麗な印象を受ける。こういう教会は他には余りないと思う。

 

今回初めてジョットの鐘楼に登った。400段以上の階段を登るのはかなり大変だが、上から眺める街並み(★★★★・)は美しい。フィレンツェの建物の屋根は、赤と茶色の中間のくすんだ感じの色が多く、落ち着いた雰囲気だ。

かつてフィレンツェ共和国の政庁だったというヴェッキオ宮殿(★★★★・)は、角張った外観が印象的だ。下の方に窓がほとんどないデザインのため、建物が大きく見える(実際に大きいのだが)。市民会議が開かれた「五百人広間」は壮大で、フィレンツェの繁栄を偲ばせる。

 

ルネサンスの宗教画を再び見る気はしなかったので、ウフィツィ美術館はパスし、ベッキオ橋(★★★・・)へ向かう。観光客の僕がこんなことを言うのは変かもしれないが、ここには、いかにも観光客向けといった感じの店が軒を連ねていて、浅草の仲見世を思わせる。

ベッキオ橋の近くのカフェに入り、昼食にパニーニを頼む。味は特に印象に残る程ではない。隣の席の観光客が、ビデオカメラを盗まれたと店員に訴えるのを聞き、少し緊張した。この後イタリア各地で何回か経験したことだが、安い店では、便器に便座が付いていないことが多い。20年以上前に初めてイタリアを旅行した時にも驚いたが、こんな便器が未だに使われているとは… こちらの人達は、何とも思わないのだろうか。

この日もフィレンツェは蒸し暑く、涼を求めてタクシーでフォー シーズンズ ホテルへ向かう。オレンジ ジュースともマンゴー ソルベ(★★★★★)とも絶品だ。このホテルは、都心から郊外への境目という絶妙の場所にある。観光には少し不便だが(と言ってもドゥオモまで歩けなくはない)、その代わり都心では望めない広大な庭園がある。高価なので宿泊は諦めたが…

フォー シーズンズ ホテルからタクシーでベルベデール要塞へ向かう。ここへ来たのは初めてだが、高台にあり、見晴らしが良い(★★★★★)。ここから先は郊外になるので、片方は都心の街並みを、もう一方は郊外の田園風景を眺められる。

ベルベデール要塞から徒歩で下り、アルノ川に沿って散策する。有名な川だが、この川自体は特に美しいとは思わない(★★★・・)。

この日の夕食は、ある店を予約していたのだが、行ってみたらメニューにはハムしかなく、また直ぐに席に通してもらえなかったので、店を変えることにした。アルノ川の付近を歩きながら、行き当たりばったりで入った店はBorgo San Jacopo。現代的でシックな内装だ。後でWebサイトを見たら、Salvatore Ferragamoのロゴが見えたが、フェラガモが経営しているのだろうか。店員の説明では、料理も現代的なものだそうだ。前菜、パスタとも確かに「現代的」だが、ウェイファで包んだフォアグラなどは奇を衒い過ぎている気がする(★★・・・)。逆に主菜の牛肉は単に焼いただけで、量も多すぎて飽きてしまった。二人で220ユーロ。

PALAZZO MAGNANI FERONI

フィレンツェで泊まったホテルはPALAZZO MAGNANI FERONI

TripAdvisorの好評価に違わず、とても良いホテルだった(★★★★★)。数百年間に渡って富豪が所有してきたという建物は、数年前にホテルに生まれ変わったのだが、外観も内装もかつての面影を保っている。

風格がありながら、過度にきらびやかでないのが良い。Classic Suitは、リビングと寝室の2室だが、両方共十分な広さで、天井が高いのが気持ちいい。ハウスキーピングは、外出する度にリネンを取り替えてくれる。ビジネス客向けのホテルではないと思うが、古さを残しつつも、空調や無料のWiFiなど、現代に必要な機能も備えている。行列を避けるために、事前にコンシェルジェに美術館の予約を頼んだのだが、対応は迅速だった。二人で二泊667ユーロ(朝食込み)という値段は高くない。

2013年8月5日(月)

朝一番でサンマルコ美術館を訪れた。有名な美術館だが、率直に言って、受胎告知などの宗教画には既に食傷している(★★・・・)。

フィレンツェからトスカーナ

フィレンツェトスカーナとローマの間は、公共交通の便が良くないので、パッケージ ツアーを使わないのであれば、レンタカーで廻るしかない。とは言っても、一方通行の多い町中でクルマを運転する自信はないので、わざわざフィレンツェの空港までタクシーで行って、そこのHertzでレンタ カーを借りた。借りたのはメルセデス ベンツCクラスのディーゼルだが、今までディーゼルに対して抱いていた偏見が直った。良く出来たガソリン エンジンのように高回転まで回す楽しみはないが、エンジン音は悪くない。トルクも十分だ。(★★★・・)

クルマは良かったものの、GPS(カーナビ)には閉口した。ダッシュボードの上に置いて、タバコのソケットから電気を取るという簡易版だが、先ずディスプレイが良くない。スマートフォンの画面程度の大きさで、自分が今走っている辺りの情報しか表示できないので、どの辺りを走っているか掴みにくい。画面が明るくないので、西日がクルマの中に差し込んでいるような状態だと、画面が極みて見づらい。最悪なのは目的地の入力方法だ。ソフトウェア キーボードはかなり気をつけて指先で押さないと、隣のキーに触れて、間違った文字を入力してしまう。しかも1文字だけ消すことができず、1文字でも打ち間違えたら、前のメニューに戻ってからもう一度全ての文字を入れなおさなければならない。また例えば、ローマのFiumicino Airportという名称を入力しても検索できず、空港の住所を入力しなければならない。空港の住所は知らなかったので、仕方なしに近くの町の住所を適当に入力することになった。また、これは慣れの問題かもしれないが、曲がったり、高速を降りる指示のタイミングが悪く、行き過ぎたり戻ったりということを何度も繰り返すことになった。日本のレンタカーではありえないカーナビだ(★・・・・)。

San Ginignano

フィレンツェを10:30頃に出発し、中継地のSan Ginignano (★★★・・)についたのは14:00近くだった。San Gimignanoは塔の町として知られ、現在町中には14本の塔があり、トスカーナの町の中でも、独特の外観を持っている。

塔には防衛や実用上の意味はあまりなく、金持ちが財力の証として建てたそうだ。有名な観光地で、とても観光客が多いので、落ち着いた雰囲気はあまりない。塔の一つに登ったが、眺めはなかなか良い。

Gelateria Dondoliというジェラート店があり、看板にはジェラートの世界選手権で優勝したと書いてある。その真偽は知らないが、確かに中々旨い。

Castello Banfi Il Borgo

San Ginignanoの駐車場で駐車券をなくしてしまうというトラブルがあり、本日の宿泊地である、Castello Banfi Il Borgoというホテルにチェックインしたのは19:30頃になってしまった。ここには本日から3泊することになる。

このホテルは、ワイン醸造家のBanfi一族が経営している。一番近くの小さな町Montalcinoからクルマで30分ほど。辺り一面は葡萄畑で、ホテルの門までは糸杉の並木が続いているという、正にトスカーナ的な風景を堪能できるホテルだ。

古代の小さな城を改造した建物にワイン博物館や読書室を設け、客室はその廻りにヴィラ形式で配置している。石造りのヴィラは、外観も内装も素朴だが、田舎暮らしの雰囲気を味あわせ、かつ十分広く快適だ。リネンや空調や無料WiFiも十分だ。最後の日にホテル廻りの葡萄畑をジョギングしたのだが、これが気持ち良い。毎日ジョギングすべきだったと後悔した。

 

廻りには葡萄畑しかないホテルなので、夕食は毎晩ホテルで取ることになる。天気が良ければ、屋外に張ったテントの下で食事を取るのだが、これが気持ち良い。ワイン リストは当然ながら自社製品が中心だ。

メニューは肉が多いが、技工を凝らすというより、良い素材の肉を伝統的なシンプルな方法で調理する皿が多い。 

無料でアペリティフとして提供される自社のロゼ スプマンテは、病み付きになるほどの美味しさで、自宅用にも1本買ってしまった。3泊の夕食のうち特に印象に残ったのは、海老のリゾット、レモン風味。今まで食べてきたリゾットの中で、最高の食感だった。

トリュフとホロホロ鳥は、淡白な味のホロホロ鳥にトリュフの隠微な香りを加える事で、良い相乗効果が生まれていた。

僕は食べなかったのだが、連れは、トリュフを掛けたラビオリと、焼いた羊(臭み消しのためにバジルを練り込んだバターを付けて食べる)が良かったと言っていた。 

最後の晩に、フィレンツェ名物のTボーン ステーキを頼んでみたが、巨大な塊が出できて驚く。給仕に何グラムあるのか訊いたら、「キロ(以上)だ」との答え。二人でこれを完食できる人はいるのだろうか。肉質は脂身が少ない赤みで、僕の好みではあるが、単純に焼いて塩で味付けしただけのものを、二人で1キロ以上食べるのは苦しい。かなり残してしまったものの、それでも頑張って食べたのだが、最後は少し飽きてしまった。

二人でClassic Suiteに3泊し、夕食代込で2400ユーロ

宿泊:★★★★★

料理:★★★★・

2013年8月6日(火)

トスカーナ2日目は、現地在住の井上知子さんというガイドに、ガイドブックでは場所が判りにくい絵になる風景を案内してもらった。

Montalcino

その前に、朝は少し遅目に起きて、昼少し前にMontalcinoへ着く。Montalcinoには小さな城壁があり、その廻りの村落も極めて小さく、アッという間に廻れてしまう。ワイン屋が何軒かあるのでワイン好きの人にとっては面白いかもしれないが、町の佇まいも僕にはピンとこなかった(★★・・・)。

オルチャ渓谷へドライブ

午後にガイドの井上さんとMontalcinoの駐車場で待ち合わせて、オルチャ渓谷をドライブへ。糸杉の絶景ポイントを何箇所か案内してもらったのだが、地元の人でないと探し当てられないような場所で、ガイドを頼んで良かった。

絶景ポイント以外に、観光客が少ない集落にいくつか案内してもらった。その一つがMontalcinoとPienzaの中間にあるVignoni Bagno Vignoniで、ここは温泉が湧く。下流では地元の人達が水着で温泉に浸かっているのどかな場所だ。

もう一つがMonticchielloで、ここはPienzaとMontepulcianoの中間だ。Monticchielloは外側に花をあしらった家が多く、石造りの建物との対比が愛らしい。

農村のチーズ屋Fattoria Pianporcinoでチーズを買う。

この辺りはペコリーノ チーズの産地だ。柔らかい物が好みだったが、日本へ帰るまでの持ちを考えて、硬いものを選んだ。

2013年8月7日(水)

MontepulcianoとPienza

トスカーナの3日めは、ガイドを付けずに自力でMontepulcianoとPienzaを廻る。両方とも丘の上に在り、オルチャ渓谷トスカーナ的な風景を堪能できる。

Montepulcianoはワイン屋が沢山有るので、ワイン好きにとっては面白いだろう。

Pienza教皇ピウス2世が理想の町として建設したそうだ。この来歴には興味はないが、実際に美しい町(規模が小さいので村というべきか?)だ。

Montepulciano以上に、町からの眺めが美しい。

前日ガイドの井上さんに、PienzaのジェラートBuon Gustoに連れてきてもらったのだが、味が忘れられず、2日続きで来てしまった。ここは店頭に並んでいる果物の中から好きなもの(複数可)を選んで、ジェラートがジュースにしてもらう。果物本来の甘さを堪能できる。今まで食べたジェラートの中で最高の一つだ(★★★★★)。 

トスカーナの風景

トスカーナの町や村をいくつか訪れたが、どこが良かったと選ぶのは難しい。町並みよりも、むしろそこから、あるいはドライブ中に眺める風景が印象的だ。なだらかな丘陵の多くは葡萄かオリーブの木で覆われているが、それらの木々の背は低い。その中で所々に背の高い糸杉の並木が見える様が忘れがたい(★★★★★)。この辺りは日本の田園に比べて土地が痩せているのだろう。日本の田園も美しいと思うが、土地が痩せた故の美しさがトスカーナにはある。トスカーナのアイコン的な糸杉だが、実は農業上の実用性は全くないそうだ。糸杉は土地の境界や墓地の目印に植えられるそうだ。でも、この糸杉がなければ、トスカーナの風景は平板なものになってしまっていただろう。

2013年8月8日(木)

Banfiの朝食もこれが最後。夕食の量が多かったので、朝食はオレンジ ジュースとパン2~3切れとカプチーノだけで済ます。搾りたてのオレンジ ジュースはとても美味しい。

ローマへ

レンタカーでBanfiからローマへ向かう。距離は250kmだが、BanfiのWebサイトでは所要時間が2時間半と書いてある。ということは、一般道も含めて平均時速100kmということだ。こちらの人はクルマを相当飛ばす。高速道路は、日本の感覚からすると路面の整備状況が悪く、怖くて時速90km弱程度しかださなかったのだが、イタリア人の運転するクルマは時速100数十kmでどんどん追い越していく。トスカーナの一般道でも、僕は時速70~80kmで運転していたのだが、地元の人達は100km以上で追い抜いていく。大したものだ。僕のペースでは250kmを2時間半で走れるわけはなく、途中昼寝をしたことや、相変わらずGPSの案内が判りにくいこともあり、5時間以上かかってしまった。

Osteria Barberini

空港でレンタカーを返却してホテルにチェックインしたときは既に夕方だった。一休みしてから、予約したOsteria Barberini へ向かう。ここはOsteriaと銘打っているので高級料理店ではないと思うが、トリュフを売り物にしている。

トスカーナでは肉を大量に食べたので、ローマでは魚中心にかつ少なめに食べることにした。アンティパスタは頼まずに、黒トリュフとポルチーニフェットチーネから始めた。トリュフの香りとポルチーニの味の組み合わせはとても良い(★★★★・)。

イタリアで何度かスパゲティやフェットチーネを頼んで感じたことだが、麺が日本とは若干異なる。日本より太めで、茹で方が若干柔らかい感じがする。日本のスパゲティやフェットチーネは食感が軽いが、イタリアのはもう少しねっとりした感じがする。変な喩えかも知れないが、うどんのように感じることが有った。僕は日本風のパスタの方が好きだ。イタリアの人達は日本のパスタに違和感を覚えるかもしれないが… 

主菜はGuiltheadという知らない白身魚をソテーし、今度は白トリュフで味付けしているが、こちらも中々のもの。

ドルチェのパンナコッタは、日本のものよりやや固めの食感。これも、日本の方が好きかな… 

2013年8月9日(金)

ローマ駆け足巡り

本日は1日かけてローマを観光。ローマは学生時代に訪れたことがあるが、強く印象に残っている。1日でローマを廻るのは無理なので、駆け足にならざるを得ない。

先ずはコロッセオ(★★★★★)から。こんな巨大な競技場が今から2000年近く前に建設されたとは驚きだ。

次いで共和制時代の高級住宅街ラティーノの丘へ(★★★★・)と、政治の中心フォロ ロマーノ(★★★★★)へ。フォロ ロマーノの建物は半分以上が失われているが、それでもかつての繁栄ぶりが伺われる。

印象に残らないスパゲティの昼食を摂った後、ナヴォーナ広場へ。ここにはいくつかの噴水が有るが、中心はベルニーニ作の「四大河の噴水」だ。ナイル、ガンジス、ドナウ、ラプラタの四大河を象徴する人物像が配置されている。見事な彫刻だが、キリスト教が世界に君臨するという宗教的なテーマは好きではない。

パンテオンは帝政時代の建築が良く保存されている。クーポラの巨大さは驚きだ。そして天窓から光が差し込む様は幻想的。変な喩えだが、SF映画で宇宙人と交信する場面に出てきそうな場所だ。

 

トレヴィの泉は、やはり圧巻だ(★★★★★)。威風堂々たる建築と彫刻、光を受け輝く泉、流れ落ちる水が水面を打つ音。視覚と聴覚の両方で楽しめる。昼と夜の2回訪れたのだが、夜も美しい。

この後買い物をしようと思っていたのだが、時差ボケで睡眠不足が続いていたことと、連日の猛暑で、歩くのが辛くなってしまい、ホテルへ戻って休憩することにした。

Ristorante AdHoc

しばし眠って体調が回復したので、イタリア最後の夕食へ。この日予約していた店は、Ad Hoc。店名はイタリア料理店ぽくない。内装もシックで、新しい感覚のレストランなのだろうか? 

ワインは小瓶やグラスも充実しており、量が飲めない我々には嬉しい。メニューは凝っていて、(名前はうろ覚えだが)「山のメニュー」、「海のメニュー」、「トリュフのメニュー」などがあり、お薦めのワインとのテイスティングが楽しめるが、僕らはアラカルトを選択した。

チーズの盛り合わせは、ジャムや蜂蜜に付けて楽しむものだが、中々の美味。

ロブスターのパスタは、他の店でも感じたことだが、日本に比べると麺が太く、食感もやや重め。ここでも日本のパスタの方が良いと思ってしまった。

主菜は、確かスズキだったと思うが、白身魚をローストしたもの。つけあわせはじゃがいもだったが、他のものに変えて欲しいと頼んだら、なんとナメコがでてきた。イタリアでもナメコを食べるのか… 魚との相性は意外と良い。

Ad hocは給仕も親切で英語も巧い。料金は若干高めだが、いいレストランだと思う(★★★★・)。

夕食を摂った後はスペイン階段(★★★★・)へ寄る。夜なのにとても賑やかだ。

Hotel Artemide

ローマで泊まったホテルはHotel Artemide。これといって特徴があるわけではなく、日本で言えば「ビジネス ホテル」と分類されるようなホテルだが、特に不満もない。市の中心にあり、中央駅(Termini)にも近いので、観光には便利。Superior Doubleで朝食込み2泊で500ユーロと、値段も高くない。★★★★・

ホテルからローマの空港まではタクシーで45分。欧州としては遠めかもしれないが、成田に比べるとはるかに良い。

振り返って

食事は全般的に満足したが、日本では出会いないような驚きはなかった。日本のイタリア料理の水準もかなり高いと思う。パスタは日本の軽い口当たりのほうが好みだ。

イタリアは僕も利用したTripAdvisorの影響が強いようだ。TripAdvisorの評価の高さを店頭に記している店がいくつか有ったし、帰国後にはある店からTripAdvisorにレビューを書くよう促すメールも受け取った。

今回の旅行はトスカーナが主な目的で、フィレンツェとローマは付け足しのような感じになってしまった。トスカーナの風景は素晴らしい。日本からは遠いが、わざわざ訪れる価値がある。ただ、真夏だったために、とても暑く、歩くとかなり疲れてしまった。今回は仕事の都合でこの時期になってしまったが、いつか春か秋に再訪してみたい。

ローマは1日だけではとても足りない。ロンドンやパリのように古い町並みが残っている大都市もあるが、ローマの古さはそれらの比ではない。ローマに居ると、街全体が遺跡のような感覚に襲われる。他にはない唯一無二の都市だ。ローマも機会があれば、もっと時間を割いて再訪したい。