伊藤若冲と与謝蕪村展

六本木ミッドタウンのサントリー美術館で開かれている伊藤若冲と与謝蕪村の展覧会を閉幕前日に見に行った。前回伊藤若冲を生で見たのは2006年だったので、9年振りということになる。

伊藤若冲与謝蕪村は、奇しくも同じ1716年に生まれ、共通の知人は居たものの、二人の間に直接の交流は無かったそうだ。

この展覧会で興味深いのは、二人に影響を与えた中国の絵画も展示している点だ。俳句で有名な蕪村の絵をきちんと見るのは初めてだったが、余り印象に残らない。蕪村の絵は中国絵画の亜流という印象を与え、独自性は感じさせない。

それに対して若冲は、中国の影響を感じさせる作品も有るものの、次第に独自の画風を確立していく。若冲の作品には、対象(動物が多い)を細密に写実している作品と、早く簡素な筆致で描いている二つの作風が混在している。その双方とも高い質を見せているところが、天才と言えよう。