瀬戸内海

2005年以来11年ぶりに香川県を訪れた。僕は現代美術に特に興味は無いが、連れが何故か瀬戸内国際芸術祭を見たがったからだ。

 

山越うどん

ANA羽田空港から高松空港まで飛び、レンタカーを借り、20分程で山越(やまごえ)うどんに着く。ここはかなりの有名店らしい。周りは田畑にも関わらず、昼前に着いたら既に長蛇の列で、40分ほど並んだ。名物の「釜玉うどん」は、茹でたうどんの麺に生卵をからめ、その上から出汁をかけたもの。麺は予想よりやや柔らかかったが、それでも中々美味しい。★★★★・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イサムノグチ庭園美術館

前回も訪れたイサムノグチ庭園美術館は予約制だ。事前に予約し損ねていたが、運良く当日キャンセルが出て、訪れることができた。製作途中の石を見ても余り有難味は感じないが、何点かの巨大な完成品には圧倒的な存在感がある。内部は撮影禁止。★★★★・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八栗寺

夕食まではまだ中途半端に時間が有ったので、近くの小山にケーブルカーで登ることにした。ここの八栗寺は、四国88霊場の85番目だそうで、お遍路さんの装束をした人達を何人も見かけた。宗教心の無い僕には有難味が判らず…

 

わら家

イサムノグチ庭園美術館の近くにも、何か所かうどん屋が在る。前回訪れた山田屋も良かったが、別の店を試してみたいと思い、夕食にわら家(わらや)を選んだ。古民家風の造りで、かなり広い。ぶっかけの上に牛肉を乗せた「肉ぶっかけ」を頼む。強く印象に残るほどではないが、中々のもの。★★★・・

 

 

 

豊島と直島

二日目は豊島と直島を回ったが、この2島を一日で回るのは無理があった。高松からの船便が少ないことが、理由の一つだが、加えて、この2島とも歩いて回れる大きさではない。複数個所を見ようとすると、バスを使って移動しなければならないが、バスの本数が少ないので、時間を効率的に使うのは難しい。こういう島に来てまで効率性を求める僕が間違っているのだが…

 

豊島美術館がどういうところだか、来るまで想像つかなかった。ここは内藤礼という作家の一作品のみを展示している美術館だ。巨大な空間の地面に白いコンクリートらしき素材が敷き詰められている。その何か所かに小さな穴が開いていて、水が微かに湧き出ている。建物の上部は穴が開いており、日の光を反射する水の表情を楽しんむという趣向だ。面白い作品だが、この作品のみで入場料が1,540円というのは、かなり高く感じる。我々は瀬戸内国際芸術祭のほぼ全作品で使える一人5,000円の共通券を持っていたのだが、豊島美術館では割引きが受けられたものの、無料にはならなかった。★★★・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

豊島で他にいくつか見たうちでは、横尾が割と気に入った。横尾忠則の絵自体は余り好きではないが、塔の視覚的な仕掛けが面白い(この仕掛けが横尾と建築家の永山祐子のどちらの案だか知らない)。塔の天井と床が両方とも鏡張りになっており、まるで空間が無限に続くかのような錯覚を受ける。★★★・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

船で直島の本村港に渡り、そこからバスに乗って島の南まで行く。目当ては草間彌生の巨大なかぼちゃだ。僕は難解な現代美術は苦手だが、この作品は理屈抜きに楽しい。観光客の人気も高く、大勢が記念写真を撮っていた。★★★★★

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

地中美術館への道すがら、李禹煥(リー ウーファン)美術館を訪れる。ここは2010年に出来たもので、直島に前回来たときは未だ無かった。

 

次いで、前回と同じく地中美術館を訪れる。ここに行くまでの小道が良い。小川の横に可憐な花が咲いている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

地中美術館の展示作品は前回と同じだ。大空間に置かれたウォルター デ マリアの巨大な意思は、圧倒的な存在感を放っている(★★★★★)。光そのものを見せるジェイムズ タレルの作品も興味深い(★★★★・)。周りの光の変化によって、白い壁が異なる色に見える。現代美術と並べると、クロード モネの作品は場違いに思える。地中美術館のカフェからの眺めは絶景だ。★★★★★

 

前回と同じく今回も、ベネッセ ハウスの現代美術は全く理解できなかった。

 

前回最も印象的だったジェイムズ タレルの南寺に行けなかったのが残念だ。南寺は本村港に在るので、豊島から本村港に着いたときに行けばよかったのだが、先に島の南のほうへ行ってしまった。そこで時間を使ってしまって、本村港に戻ることができなかった。

 

帰りの船が出る宮浦港には、草間彌生のもう一つのかぼちゃがある。もう一方は黄色だが、こちらは赤だ。色は黄色のほうが好みだが、赤い方は中に入れるのが面白い。★★★★・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

香川県で美味しいうどん屋は、昼しか営業していない店が多い。直島から高松港に戻って、港近くの夜も営業している(と思っていた)うどん屋へ行くも、営業していなかった。後から判ったことだが、平日は夜も営業しているが、日曜日と祝日は昼のみのようだ。仕方なしにタクシーの運転手に繁華街まで連れて行ってもらって、そこで行き当たりばったりに鶏料理の店に入る。どうやら、野球好きが集まる店のようだ。味について特筆すべき点はない。喫煙している客が居るのが鬱陶しい。

 

玉藻公園

 

三日目は船に乗る前に、港近くの玉藻(たまも)公園を訪れた。ここは高松城の跡で、濠や庭園が有る。★★★・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


女木島と男木島

三日目は女木島(めぎじま)と男木島(おぎじま)を廻った。これら2島は、前日の豊島や直島と比べて小さく、主要な見どころは歩いて回れるので、1日で2島廻ることが可能だった。

 

女木島は鬼ヶ島とも呼ばれていて、そのせいか、展示作品には鬼をモチーフにしたものも有った。しかし女木島で一番印象に残ったのは、山頂からの風景だ。瀬戸内海を360度見渡せる。★★★★★

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




















男木島は女木島より一回り小さい。そして、こんなことを言うのは失礼かもしれないが、かなり寂れた感じがする。家屋の約半数が空き家で、朽ちかけた家も多い。限界集落という感じがする。住む人の居ない家を作品に改装したものがいくつか有った。観光客が落とすお金が、この地域の経済に少しでも役立つことを願う…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




川福本店

夜でも営業しているうどん屋をRettyで調べて選んだのが、繁華街の片原町にある川福本店だ。ここは老舗のようで、宴会も受け付けており、今まで訪れた香川県の他のうどん屋とは雰囲気が異なる。天麩羅とざるうどんのセットを頼んだ。うどんは腰が強くはないが、それなりに美味しい。★★★・・

 

がもう

最終日の朝は高松港の作品を何点か見た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後再びレンタカーを借りて、高松市から西へクルマで30分ほどの「がもう」といううどん屋で昼食を摂った。ここは初日の山越えうどん以上に素朴な店で、正に讃岐うどんという感じがする。この店も出汁は「いりこ」を使っている。僕個人はかつお出汁の方が好みだが、たまには「いりこ」も悪くない。冷たい「ぶっかけ」と温かい「かけ」の両方を食べてみたが、やはり「ぶっかけ」の方が腰の強さが感じられて良い。今回訪れた4店のうち最も印象に残る麺だ。★★★★★

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


沙弥島

昼食の後、沙弥島(しゃみじま)に訪れた。時期が合えば桜の名所に行こうと思っていたのだが、生憎四国では桜は未だ咲いていなかった。この日飛行機に乗るまで何をするか決めていなかったのだが、朝たまたま見たテレビで沙弥島の作品を紹介していたので、ここに決めた。陸続きなのでクルマで来られて便利だ。瀬戸大橋が間近に見られる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


レンタカー

前回四国に来たときは、東京から自分のクルマを運転し、神戸で1泊して四国に入った。その後クルマは手放してしまったので、今回は飛行機とレンタカーを組み合わせた。ニッポンレンタカーは、何故かスバル レガシーだけは車種を指定できるので愛用している。

 

初日はレガシーの在庫が無かったのでプリウスにした。プリウスは何度乗っても面白くない。アクセルを踏んでから加速が始まるまで間が有るので、イライラしてしまう。また、回生ブレーキのせいか、ブレーキの感覚が不自然だ。プリウスで良いのは速度計だ。窓ガラスの直ぐ下にデジタル表示の速度計が有り、運転する際に視線の移動が少なくて済む。プリウスに比べると、レガシーは運転操作にダイレクト感が有り、いかにもクルマを運転しているという感じが好ましい。

 

帰京

この日は、メディアでも広く報道されたANAのシステム障害が起こって、運航が乱れていた。多くの人が困っていただろうが、これは我々にとってはむしろ幸いだった。定刻の1時間半位前に高松空港に着いたのだが、その時点で未だ前の便が飛んでおらず、急遽前の便に変えてもらえた。そのため、元の便の定刻より30分程早く飛び立つことができた。