「鮨 和さび」は四谷三丁目の鮨屋だ。駅の直ぐ側に存り、8人掛けのカウンターのみ。開店したのは10年ほど前だが、2年前に改装し、店内には清潔感が漂う。ジャズ ピアノのBGMが流れていた。大将1人、弟子1人、接客1人の3人体制で店を回している。
握りの間に魚介類の摘みも挟んでくる。舎利は柔らかめで、かつ酢の利かせ方は穏やか。控えめな個性の舎利だ。
牡蠣の摘みは、出汁がミルキー。
蕗のとうの茶碗蒸しは、微かな苦味が心地良い。
牡丹海老の握りは上品な甘味。煮詰めた味噌も美味しい。
子持ち烏賊の摘み。長年使い続けているタレが染みている。
鰻の摘みは、脂の乗った素材を香ばしく焼いている。
カワハギの握りは、弾力感が有り、肝が味に変化を与えている。
トロの握りは脂の乗り方が上品。
小肌はかなり大きく、酢を効かせすぎないので食べやすい。
鮪の赤みも上質。
焼いた喉黒。鮨屋では余り見ない素材だが、脂の乗り方がとても良い。
鯵の握りは、青味魚の程よい香り。
リゾット風のご飯は、白トリュフで味付けしており、艶めかしい味。
雲丹の握りは、口の中で溶けていく。
車海老の握りは、大きな種が立派。
ここでカラスミが供され、酒が進む。
穴子の握りは柔らかく、口の中で解れていく。
かなり満腹になったが、追加で北寄貝の摘みを頼んだ。適度な弾力。
デザートの代わりに何と梅干しの握りが出てきた。甘さと酸味が料理の最後を締めくくる。
舎利の個性は控えめだが、種は全般的に上質。大将は、握る前に種に細かく包丁の切れ目を入れている。大将は明るい性格で、適度に冗談を言いながら、客を和ませる。気楽に美味しい鮨を楽しめる。
8/10