kabi(カビ)は目黒通りにあるレストラン。目黒駅から徒歩10分程度だ。
古民家を改装したような感じの店内。カウンターに加え、テーブルが2卓。奥には個室も有るみたいだ。
改装前の古民家に有ったと思しき天井の梁をそのまま使っており、漆喰の白い壁や、クロスを掛けた木のテーブルと相まって、気軽ながら洗練された雰囲気を醸し出している。BGMは環境音楽。
シェフはデンマークで修行し、北欧の影響を受けた料理を供する。
少量多皿構成で、魚介類や山菜や野菜の中核を成し、ソースに発酵を使った皿が多い。
先付けは北寄貝の天麩羅と、クロマグロのカルパッチョ。天麩羅の衣は軽い食感。カルパッチョは、デンマークの松の実などを加えて、味に変化を付けている。
生の赤貝は、若干発酵させたと思わしき野菜を付け合わせている。
生の甘海老は、柑橘類を合わせて味に変化をつけ、発酵したソースで味を整えている。食感の組み合わせがとても良かった。
甘鯛は松笠焼きにし、ケールを添えている。松笠焼きは鱗が立った食感で、ケールはゴツゴツした食感。もう少し食感を柔らかくした方が良いと思う。
鯖は燻製にした身を、何かの緑色のコーティングに閉じ込めている。
火を通した蛤は、野菜を付け合わせ、麹を発酵させたソースで味を整えている。蛤の弾力感が強く、噛み切るのに少し苦労した。
パスタは、ふきのとうを練り込んだ、珍しいもの。
口直しとして出てきた漬物は、日本の漬物のようでありながら、色が鮮やか。
信州黒豚は、素材も火入れも良く、新玉ねぎの付け合わせも美味しい。
締めにおじやが出てきたのには驚いた。と言っても、ご飯に恐らく油を練り込んでいるので、日本のおじやとは少し味が異なる。
デザートの1皿目はとてもよかった。複数の柑橘類にヨーグルトを組み合わせ、酸味と甘味の精妙なバランスを保っている。
接客はフォーマルな感じではないが、給仕達は親しげに話しかけてくれ、また料理の説明も丁寧だ。ワインは味が軽めのものが多い。分量は少なめだが、発酵を積極的に取り入れた料理は、とても個性的だ。
7/10