三回目の訪問。
青空(はるたか)は銀座と新橋の中間辺りに在る鮨屋だ。白木のカウンター。鮨屋としては空間に余裕が有り、客数を鑑みると店員は多めだ。客足はかなり良く、一斉開始ではないものの、実質的に二回転。
摘みと握りを合わせるとかなりの品数になるので、感想は一部の品についてのみ。
摘みは、素材の良さに加えて調理が光る。全体的に出汁が素晴らしい。
蛸は柔らかさの中に弾力感を備えている。
湯引きした河豚は、何気無いポン酢との組み合わせが見事。
白甘鯛は、出汁に深みがある。
鮑も柔らかく、それでいて弾力感が有る。
虎河豚の白子は、ネットリとした食感が病み付きになりそう。
握りは、以前の訪問で量が多いと判っていたので、舎利は少な目にしてもらった。握りの舎利は、やや硬めの炊き方で、酢の利かせ方も若干強め。好みは分かれると思うが、僕は気に入った。
墨烏賊の握りは、見た目が先ず美しい。素材の食感も硬すぎもせず柔らかすぎもせず、適切だ。
サヨリや小肌などの光り物は、酢の締め方が強目で、舎利と合わせて美味しさを感じる。
仕入れの都合上か、この日はイクラが無く、その代わりか鮪が四貫も出てきた。鮪は、赤身、中トロが背中と腹のニ種類、そして大トロと四連続。鮪はもっと少なくても良かったが、素材はどれも見事。
赤貝は締まった感じの食感。
車海老の握りは、茹で加減が丁度良いし、赤白の縞が美しい。
雲丹はとてもクリーミー。細かい点だが、軍艦の海苔も素晴らしい。
口の中で解けるような、穴子の柔らかい食感に陶然とする。
福井の酒「一本義」は極端な辛口で、好みからは少し外れてしまった。石川の酒「手取川」は、スッキリとした味わいで、鮨と合わせやすい。
店員の人数が多いこともあり、ご主人を含めて、店員は客に良く目を配っている。
正統的な仕事の平均点が極めて高い店だ。
9/10