お任せで、先ず摘み、その後握りというスタイルだ。
品数がかなり多いので、特に印象に残った品について感想を記す。
蛸の刺身は、弾力と柔らかさとのバランスが良い。
初鰹の刺身は、若干オリーブ油を掛けて、味に膨らみを与えている。
太刀魚の焼き物は、焼き方も良いし、柚子などから作ったジュレが、品の良いアクセントを付けている。
茶碗蒸しは、梅の程良い酸味が効いている。
握りのノドグロは、脂が良く乗っている。
この時期の鮪は若干弱いそうだが、二枚重ねにして味を重層的にしている。
トロの脂の乗りは良い。
ボイルした車海老は安定した美味しさ。
雲丹は舌の上でとろけそう。
この時期は穴子が無いが、代わりに蛤の握りで締めた。煮切りはかなり甘め。
お代わりで頼んだあん肝の握りは出色だった。なんと奈良漬けを重ねているが、このサッパリとした感触と、あん肝の程よい脂味との相性が実に良い。
全体的に握りの質はかなり高い。白身が赤身並みに良くなれば、究極の鮨となろう。
9/10