3回目の訪問。
津の守坂 小柴(つのかみざか こしば)は、曙橋の小さな和食店だ。大将を含めて三人体制で回している。8席のカウンタが満席だった。
鯛を蒸した餡掛け。上に乗った山葵を解すと、良い香りが立ち込める。百合根も加わっており、渾然一体の食感が素晴らしい。
虎河豚の刺身。若干燻った河豚は、心地良い弾力感。肝を添えたぽん酢に付けて食べる。
めじ鮪の刺身は、山葵でなく辛子に付けて食べるが、この相性が意外と良い。
福島の「おだやか」という酒は、スッキリとした飲み口。
金目鯛の椀。金目鯛の皮を微かに焦がした焼き方が見事。出汁も上品。
香箱蟹は、蒸して身を解した上で、再度殻に詰めている。柔らかく、かつ凝縮感のある食感。
八寸。干柿でなんとバターを挟んでいる。和食に囚われない発想。この品や牡蠣の燻製などは、酒の当てにもってこい。
海老芋の椀は白味噌が上品。
モロコの揚げ物は、パリッとした食感が見事。
焼き物の魚は三種類から選べた。食べる方としては嬉しいが、食材の管理は大変だろう。僕が選んだキンキは、少し脂の乗った素材を、皮に微かに焦げ目が付いた見事な焼き方で焼いている。
スッポンの鍋。スッポンの身はトロリとした食感。出汁は上品かつ存在感がある。
ご飯は選択肢が幾つかあり、僕は白魚の土鍋を選んだ。
デザートは果物のゼリー。和食店にしては甘味が強めで、個人的にはこういう味が好みだ。
この日のコースは量が極めて多く、後半はキツかったが、美味しかったので頑張って完食した。品数をもう少し減らしても、満足度は変わらないと思う。
素材も調理法もとても良く、満足した。
9/10