御料理 はやしは正統的な和食店だ。
電話の予約の際にコースを決める。コースの種類はかなり多く(5種類位有ったと記憶している)、電話口で金額のみ言われても良く判らないので、中程の価格のコースを選択した。クレジット カードを使えないのは不便だ。
一軒家の店は、1階がカウンターで2階に個室が幾つか有る。我々は個室に通された。
突き出しは柿の白和え。微かな甘味。
続く皿は、海老、銀杏、烏賊など様々な素材が盛られている。
「月とスッポン」と題された椀はかなり良かった。スッポンの出汁は上品。「月」は滑らかな卵豆腐。豆腐の中にスッポンの身が入っている。
筋子は酒飲み用だろうか?この店は、コロナ ウィルス禍での酒類提供自粛要請を守っているので、筋子を酒とともに楽しめないのが残念。
湯葉と烏賊も堅実な味。
造りは鱧、平目、海老、トロなど。どれも素材の質が良い。
続く蕪の椀は出色だった。柔らかく煮た蕪、少しトロミを付けた出汁、周りに浮かべた菊は素晴らしい組み合わせだ。
続いて鱧が鮨でも供される。
京都の天然の鮎はカリカリに焼かれており、今にも泳ぎ出しそうな姿。
揚げた芋は、優しい味わい。
鮑は意外にも酢のものとして供される。個人的には、鮑は酢の物には向かないと感じた。
やや腰のある素麺と冷たいお茶漬けで締める。
甘味は二皿供される。梅は酸味と甘味のバランスが適切。
蕨餅はとても柔らかい。
料理は新規性やインパクトを追わず、上品で柔らかな味だ。分量は意外と多い。
7/10