MOTOI(モトイ)は京都のフランス料理店だ。僕はこの辺りの地理に疎いが、二条城からタクシーで5分程だ。
オーナー シェフは中華料理の経験も有るという異色の経歴の持ち主だ。多皿のコースのみ。
店舗は伝統的な町屋を改装したという。白い壁に黒い床。天井の太い梁は焦げ茶色。ガラス越しに中庭が見える。極めて印象的な建物と内装だ。
アミューズ ブーシュの内の一品は、鮒鮨の要領で発酵させたというクリームを挟んだシュー。発酵のさせ方は上品だ。
続くアミューズ ブーシュは、冷製の鱧のジュレに松茸を沈めたもの。和食の素材でフランス料理を成立させている。
豚バラ肉は中華料理を思わせる。外側の脂身はカリッと揚げている。
フォアグラは巨峰を添えて油脂の感触を円やかに変えている。
続く皿は何と麻婆豆腐。豆腐は滑らかに漉して、麻婆の辛さは控えめ。フランス料理人が中華料理を再構築したような皿だ。
オマール海老は、様々な茸を添えているのが効果的。
ハタのポワレは、茄子やクレソンを添えており、スープ状のソースが上品。
牛肉は素材も焼き方も上質。
ここから上品なデセールが3皿続くが、セロリがデセールの構成要素として成り立つとは意外だ。
ミニャルディーズは種類が多く、カヌレみたいな典型的なものも有れば、きな粉を用いた変化球も有る。
この店の料理は、和食や中華の様々な要素を盛り込みながらも、完成度が高い。食感は軽め。現代的なフランス料理と言えよう。
接客は丁寧かつ洗練されていて、高級店に相応しい。
8/10
Restaurant MOTOÏ – 京都のフレンチレストランMOTOÏのホームページです。シェフ 前田元のフィルターを通し、新しいフレンチの形を表現しています。ご予約はお電話にて承っております。