ブライアン フェリー "Boys and Girls"

去年の10月にiPot Miniを買ってから、通勤で歩いている時間はもっぱら音楽を聴いている(電車に乗っている間は新聞や雑誌を読んでいる)。自分の持っているCD全てを音楽家名のアルファベット順に聴き直しているが、このようなやり方をすると、しばしば思わぬ発見をする。

 

最近ブライアン フェリーのBoys and Girsを十数年ぶりに聴きなおしたのだが、その中の何曲かがロクシー ミュージックのAavalonに収められていると長年に渡って勘違いしてきたことに気づいて、驚いた。それほどこの両者の肌触りが似ているということだろう。

 

Avalonについても言えることだが、Boys and Girlは、楽曲のみならずサウンド プロダクションも素晴らしい。深い残響の中で楽器の一音一音がくっきりと際立つ。フェリーは決して巧い歌手では無いが、残響の中に漂うその震える歌声は、まるで霞の向こうから射す光のような感触だ。楽曲は官能的だが、退廃の一歩手前で踏みとどまっている。極上のワインのような、洗練された気品を備えた作品。

★★★★★