ローリー アンダスン『時間の記録』 

ローリー アンダスン『時間の記録』展(Laurie Anderson, The Record of the Time)を観た。パフォーマンス アーティストの第一人者であるアンダスンの大規模な回顧展であり,デュッセルドルフ,ミラノ,ダブリンと巡回してきたそうだ。

 

僕はアンダスンに対して偏った見方をしてきた。80年代に"Sharkey's Day"や"Language is a Virus"といった曲が商業的にも有る程度の成功を収め,MTVでもビデオが流れた時代に彼女のことを知り,「実験的でありながら親しみやすい,一風変わった音楽家」いうような認識でいたのだ。90年代初めに仕事でニューヨークに出張した際に,運良く彼女の公演を観ることができたが,その際も,ヴィデオや様々なガジェットや視覚効果を活かした斬新な演出ながら,基本的にはわかりやすい楽曲が多かった。

 

この回顧展では,多様な側面を持つアンダスンの全貌を知ることができる。コンセプチュアルな現代美術に興味のない僕にとっては,言葉をしゃべるオウムの模型や,文章が縦型のディスプレイを流れるインストレーションなどは理解しがたい。しかし,公演を記録したヴィデオや過去のヒット曲のヴィデオは十分楽しめた。