夏休みをとってベトナムを旅行し、フエという古い都に3泊、ハロン湾という景勝地に1泊、ハノイに2泊した。
7月28日10:30に成田を出発し、ホーチミンシティで乗り換えてフエ空港に着いたのが20:00。
チェックインしたのが21時過ぎだったので、外出せず、ホテルのレストラン”Le Parfum”で軽食を摂った。海老フライは日本のそれに近い。味も中々。
La Résidence Hôtel & Spaはブティーク ホテルを標榜している。かつての総督(?)の邸宅を改装したというホテルの建物は、白を基調としたスタイリッシュなコロニアル様式。客室も、白い壁に焦げ茶色の家具を配した落ち着いた雰囲気で、床は絨毯でなく木張りだ。中庭のプールから眺めるフーン川が美しい。我々は利用しなかったが、名称に”Spa”を冠するだけあって、充実したエステティック プログラムを誇る。リゾート感覚溢れるホテルだが、インターネットに接続したPCを4台備えた部屋もあり、現代のニーズにも目配りしている。レセプション傍にある天井の高いバーで飲むカクテルの味は格別。フエの中心街からは少し離れているが、タクシーで20,000VND程度で行ける。落ち着いてリラックスできる、いいホテルだ。
★★★★★
La Résidence Hôtel & Spa泊(3泊)
http://www.la-residence-hue.com/ resa@la-residence-hue.com
フエの2日目はドンバ市場を観光。服の生地から魚まで、様々な小さな店が密集する様に圧倒される。三角形の麦わら帽子『ノイ』を買おうとしたら、日本語のできるベトナム人がまとわりついてきた。半額以下に値切って、2個25,000VNDで買う。
昼食はフエ名物のブン ボー フエ(Bun Bo Hue)を、その名もBun Bo Hueという店で食べる。ブンは麺の種類(断面が丸く細い)、ボーは牛肉の意味、フエは地名。味は中々のもの。食後に草餅のバイン イット デン(Banh It Den)が出てきた。これはガイという葉っぱで色づけをしたフエ式草餅で、中には緑豆あんが入っている。二人で22,000VND。
★★★・・
Bun Bo Hue
11B Ly Thuong Kiet
054-826460
気温が余りに高いので、歩き続ける気力もなく、Saigon Morinホテルで休憩してからLa Résidence Hôtel & Spaに戻った。Saigon Morinは格式のあるホテルだが、マンゴー ジュースはイマイチ。入り口付近の雰囲気もLa Résidence Hôtel &; Spaの方が上だと感じた。La Résidence Hôtel & Spaに戻ってから夕方まで、プールで寛ぐ。
夕食はティンザーヴィエン(Tinh Gia Vien)という店で、フエ名物の宮廷料理を食べた。ガイドブックに載っている宮廷料理の写真を見て、「見た目は凝っているけれど、味は大したことないかもしれない」と懸念していたが、この店に関しては懸念が当たってしまった。豪華な一軒家を改装した店構えは美しく、品数も多いが、肝心の味に繊細さが無い。油を使った料理が多いが、油の質も余り良くない。ベトナムのビールHudaも、薄くて不味かった。二人で27USD。★★・・・
Tinh Gia Vien
7/28 Le Thanh Ton
054-522243
La Résidence Hôtel & Spa泊
フエ3日目は、ホテルでガイドを手配して貰って、フエ郊外の帝廟を見学した。ガイド1名、運転手1名、クルマ、乗船代金、入場料、昼食代込みで、二人で140USD。
カイディン帝廟(Long Khai Dinh)→ミンマン帝廟(Long Minh Mang)→刺繍工房(Century Riverside Hotel脇)→ティエンムー寺(Chua Thien Mu)→Y Thao Garden Restaurantで食事→ホテルへ戻り休憩→王宮
最後の皇帝カイディンの廟は装飾的で華麗。
権勢を誇った第2代皇帝ミンマンの廟は、赤と金の色遣いが退色しているせいか、それとも池が有るせいか、素朴で落ち着いた感じがする。
ティエンムー寺は小さいが味わい深い。
王宮は大部分がベトナム戦争で破壊されてしまったが、残った部分から当時の壮麗さが想像できる。
どの建物も中国の影響を感じさせる。訪れた王宮や帝廟は★★★★・だが、その場のガイドの判断で、当初の予定に入っていたトゥドゥック帝廟が刺繍工房に差し替えられてしまった。恐らく、客が刺繍を買った際にガイドに手数料が落ちるようになっているのだろう。僕は当初の予定をきちんと記憶していなかったので、その場では差し替えられたことに気がつかなかったが、後で予定表を改めて眺めて、後味の悪い気分になってしまった。
Y Thao Garden Restaurantも宮廷料理を供するが、前日のティンザーヴィエンに比べるとかなり良い。野菜のスープ、蒸し海老、蓮の葉で蒸したおこわなどが旨かった。ただ、胃の調子が良くなく、余り食べられなかった。
王宮を見終わった後、ガイドに教えられたPhieu Thanh Toanという喫茶店でお茶した。邸宅を改装したと思しき店で、焦げ茶色の木を基調とした室内も、庭園も美しい。オレンジ ジュースとチョコレート アイスクリームは平均点だが、BGMとして流れていたベトナム歌謡は好きになれなかった。★★★・・
Phieu Thanh Toan
84 Dinh Tien Hoang
054-513-290
夕食はOng Taoという店で摂った。ここは日本の感覚からすると大衆食堂みたいな感じだが、ベトナムの感覚からすると、割といい店かもしれない。
蒸し蟹、海老のニンニク炒め、野菜のバミセリ、イカのしゃぶしゃぶを頼んだ。海老のニンニク炒めは素材の質も焼き方も良い。野菜のバミセリはカレーぽい味付けが旨い。
最後に頼んだイカのしゃぶしゃぶは、レモン グラスを入れた湯で、イカをしゃぶしゃぶにする。
中々の味だったが、満腹になり、全部は食べきれなかった。”333”というブランドのベトナム ビールを頼んだ。Hudaよりはましだが、やはり旨くない。
二人で190,000VND。★★★★・
Ong Tao
31 Chu Van An
054-823031
飛行機でフエからハノイへ。ホテルはSofitel Metropole Hanoi。
妻がCoco Silkという店でワンピースを仕立てるのに付き合う。絹の生地に刺繍を施したワンピースでも100USD程度で仕立てられるので、日本の感覚からするとかなり安い。店員は日本語を流暢に話す。
ホテルのコンシェルジェに券を取ってもらい、水上人形劇を観た。券を取ったのが当日の午後にも関わらず、最前列の中央という最高の場所だった。さすがはMetropole。人形劇はベトナム語で演じられるが、筋が理解できなくてもコミカルな動きを楽しめる。ベトナム伝統の楽器による伴奏の音楽も美しい。
★★★★・
夕食はホテルの近くのCom Vietで。生春巻きは日本で食べるのと余り変わらない。ネギ入りの焼いた浅蜊は、プリプリした食感が見事。ネギの辛みとも良く合う。
亀の鍋は、亀と野菜で鍋を作る。
亀の身も中々の味だが、何よりも濃厚ながら雑味の無いスープが素晴らしい。これだけで何杯も食べたいほどだ。亀の鍋はとても旨いが、二人で1.2kgもあったので、半分くらい残してしまった。ベトナム伝統楽器の演奏も耳を楽しませてくれる。
二人で35.38USD。クレジット カードも使える。★★★★★
Com Viet
13 Ly Thai To ,Hoan Kiem, HaNoi
04-8240637
http://www.gnavi.co.jp/world/asia/hanoi/w133007/
一旦Sofitel Metropole Hanoiをチェックアウトして、ハロン湾(Vinh Ha Long)1泊クルーズへ。8:30にホテルを発ち、現地旅行会社(Vido Tour)のクルマでハロン湾へ向かう。所要約3時間。船の事業者はBai Tho Touristという会社。
1日目の昼食と夕食および2日目の朝食と昼食は船中で摂る。
Ha Longは「龍が降りる」という意味で、龍の母子が侵入者を退治したという故事に因むそうだ。龍が通った跡が、湾と無数の岩山になった。青緑色の海からいくつもの急峻な岩山が突き出た異様な美しさに息を呑む。
残念ながら曇天のため夕日は見られなかったが、夕暮れ時のもの悲しさや早朝の清々しさにいつまでも浸っていたい気持ちになる。
単に奇岩の光景を眺めるだけでなく、鍾乳洞や洞窟を巡るなど、プログラムにも変化が付けられている。
嬉しい誤算だったのが食事だ。事前に全く期待していなかったのだが、船で出された料理は実に旨いものだった。水上生活者から魚介類を買って、その場で調理しているそうだが、素材も調理法も素晴らしい。
客室は極小で快適とは言い難いが、1泊のみと自分に言い聞かせて我慢する。客室は狭いが、絶景と料理に★★★★★。後でわかったのだが、船の事業者によっては客室がもっと快適な船もあるようだ。
ちょっと驚いたのは、現地旅行会社(Vido Tour)のガイド(日本語を話すベトナム人)が、単に船まで送迎するだけでなく、一緒に船に泊まり込んだこと。人件費が安いベトナムならではだ。
ハロン湾1泊クルーズ終了後、再びSofitel Metropole Hanoiに戻る。ホテルでのアフタヌーン ティー(まあまあの味)の後、妻に付き合って化粧品やお土産の小物の買いに。その後、旧市街をぶらぶらする。仏具店の通り、金物屋の通りなど、通りごとに同じ種類の店が連なる。アジア的な猥雑な感じは、最初のうちはキッチュな面白さがあるが、いろいろ見ているうちに疲れてしまう。
夕食はQuan Com Phoという気軽な雰囲気の店で摂った。
餡かけ豆腐は素朴な味。蛙と筍の炒め物はあっさりとして旨いが、蛙が小さいため骨に比べて食べられる部分が少ない。
どういう料理だか見当が付かずに最後に頼んだ品は、川魚の甘露煮だった。これは癖があって沢山は食べられない。
★★★★・
Quan Com Pho
29 Le Van Huu St.
(04) 9432356
Sofitel Metropole Hanoiは1901年創業の歴史のあるホテルで、外観や内装はクラシカルで気品のある美しさを備えている。客室は天井が高く、白い漆喰の壁と、焦げ茶色の気張りの床という組み合わせ。リノベーションにより、現代的な快適さも兼ね備えている。
従業員も慇懃かつ親切で好感が持てるが、気になるオペレーション ミスがいくつか有った。我々は日本の旅行代理店に代金を前払いし、朝食も代金に含まれているはずだったが、チェックアウトの際に朝食代を請求されて、うっかり払ってしまった。その後、気がついて返金してもらったが。また、最後の日にウェイクアップ コールを頼んだのに、電話がかかってこなかった。部屋も雰囲気は素晴らしいが、我々の泊まった1st floor(日本式だと2階)の部屋は、余り静かでなかった。通りの音が若干入ってくるし、ground floorのバーで演奏しているピアノの音も聞こえてきた。我々が泊まったのは一番安い部屋だったので、もっと高い部屋は静かだったのかもしれないが。★★★★・
Sofitel Metropole Hanoiは夕方にレイト チェックアウト。ホテルのクルマを雇って観光。以下のコースで60USD。
文廟(Van Mieu)→一柱寺(Chua Mot Cot)→バチャン(陶器で有名な村)→フォー サオ フー ミー(PHO XAO PHU MY)で昼食→チュー ソ アイ ケム カラメル(Che Xoai Kem Caramel)でプリンを食べる
孔子を祀ると共にベトナム最古の大学が置かれた文廟(Van Mieu)は、落ち着いた雰囲気で、これなら勉強がはかどりそう(?) 科挙に合格した官吏の氏名が記された石碑を見ると、科挙の持つ重みが想像できる。大学とはいっても、現代の大学に比べると規模は非常に小さい。また、運動場みたいなものが無いが、古の大学生は運動せずに勉強ばかりしていたのだろうか。
★★★★・
一柱寺(Chua Mot Cot)は一瞬で見終わってしまう小さな祠だが、一本の柱に支えられて蓮池の中に立つ姿には気品がある。
★★★・・
陶器の村バチャンまではクルマで20分程か。意外と近かった。運転手に連れて行かれた土産物屋の店員が村を案内してくれた。彼女はたどたどしいながらも日本語を話す。家内工業制の工房が多く、店員に連れられてそれらの中に入って制作過程を見学する。素朴な手作業が興味深い。行く前までは陶器を売っている店が沢山有ると想像していたが、実際は観光客向けの小売りをしている店は僅かで、大部分の工房(=家庭)は制作と小売店への卸売りに専念しているようだ。土産物屋で蓮華と薬味用の小皿を買う。
★★★★・
旧市街にあるフォーの店フォー サオ フー ミー(PHO XAO PHU MY)は、牛肉で出汁を取る。鶏の出汁に比べて濃厚だが、しつこくなく、とても旨い。Sofitel Metropole Hanoiの朝食で出た極めて上品なフォーも素晴らしいが、この店のフォーも異なる性格ながらも見事だ。
★★★★★
フォー サオ フー ミー(PHO XAO PHU MY)
45B Bat Dan, Hoan Kiem, HaNoi
04-8286574
http://www.gnavi.co.jp/world/asia/hanoi/w133018/
フォーとブンは共に米から作る麺だが、違いが良くわからない。フォーの断面は平たく、ブンは丸く細いみたいだが、形状以外に違いはあるのだろうか?ブンは細いので切れやすいみたいだ。僕はつるつるした喉越しのフォーの方が気に入ったが...
チュー ソ アイ ケム カラメル(Che Xoai Kem Caramel)は、ベトナム在住日本人向けの雑誌Sketchで見かけた店。チュー ソ アイはマンゴー プリン、ケム カラメルはプリンの意味だそうだ。プリンの喉越しは滑らかだったが、ちょっと柔らかすぎる気もする。
★★★・・
チュー ソ アイ ケム カラメル(Che Xoai Kem Caramel)
2 Nguyen Truong To St., Hoan Kiem Dist.
(04)9273003
ホテルに戻りプールで2時間ほど過ごした後にチェックアウトし、荷物を預けて、2日前の夕食で気に入ったCom Vietを再び訪れる。店員は我々のことを覚えており、”Good evening again”と挨拶された。2日前に気になっていたロブスターを頼む。1.1kgもあるとのことなので、他には何も頼まなかった。出てきたロブスターは、素材は良さそうだったが、少し火を入れすぎだったのが残念。
ロブスターの値段は950,000VNDと、ベトナムにしては破格の高額。今回は★★★・・
23:55ハノイ発、翌朝06:40成田着。