MADONNA STICKY & SWEET TOUR

マイクル ジャクソンが King of Pop なら、マドナは Queen of Pop と呼べるだろうか。2008年8月から約1年間にわたって開催され、商業的に大成功を収めたというツアーのブエノスアイレス公演を記録した本作は、エンタテインメントの一つの極地を見せる。

 

声も動きも年齢を感じさせないマドナは、きっと厳しい訓練を積んでいるのだろう。引き締まった演奏も、バックアップ ダンサー達の一糸乱れぬ踊りも、巨大なスクリーンに溢れる凝った映像も、実に見事なものだ。

 

特に印象的なのは、冒頭の数曲。マドナと女性のバックアップ ダンサー達が、エロティックな衣装を纏い、セクシーな踊りを見せる。冒頭部分ではマドナが、観客を挑発するかのように大股を拡げる。ポップの枠内で-即ち権力と決定的に対立しない程度に-マドナは性のタブーに挑む。

 

余りに良く出来ているので、却ってあざとさすらも感じてしまうが、良く練られたショウだ。

★★★★・

(WOWOWで録画)