BABYMETAL 中毒

一体どうしたのだろう。自分でも驚いたことに、最近BABYMETALの中毒になってしまっている。

アイドルもメタルも聴かない僕のアンテナに、BABYMETALは中々引っかからなかった。今年1月にさいたまスーパー アリーナで行なわれた彼女達のコンサートを、5月半ばにWOWOWが録画放送した時も、深い興味も無くなんとなく録画しただけだった。しかし、WOWOWの放送を数回繰り返し見、その後はYouTubeの映像も漁るようになってしまった。最近は、去年ロンドンで行なわれたコンサートのブルー レイも購入し、週に1回は見ている。一人(一組)のミュージシャンをこんなに聞き込むのは久しぶりだ。

「かわいい」だけでは音楽的な深みが無い。メタルだけでは様式美が強すぎる。「かわいい」とメタルという、今まで余り興味が無かった二つの要素が融合したからこそ、BABYMETALが好きになったのだと思う。

際物に成りかねないコンセプトだが、結果は見事だ。多くの曲がJ-Popとメタルとの間を変幻自在に行き来し、更にはレゲエやラップまで取り入れている曲もある。多くの要素を詰め込みながらも、破綻せずに楽しい曲となっている。リード ヴォーカルのSu-metalの歌唱力と、バック バンドの「神バンド」の技術は本格的だ。バックアップ ヴォーカルとダンスのYumetalとMoametalは、可愛らしいだけでなく、ダンスも極めて上手だ。

ライヴ(と言っても録画しか見ていないが)での彼女達のエネルギーは凄まじい。YumetalとMoametalの運動量は途方も無い。あんなに激しく踊り続けて大丈夫なのか、と心配してしまうほどだ。Su-metalは、インタヴューの映像を見ると、あどけない少女という感じがするが、ステイジに登ると聴衆を支配するオーラを放つ。本物のパフォーマー達だ。

BABYMETALの登場は、日本の音楽界に大きな影響を与えるだろう。例えば、外国でも人気の高い「紅月」(あかつき)という曲は、メロディーはとても歌謡曲ぽい。しかし、このメロディーが重いリズムに乗ると、ロック ファンにも魅力的なものとなる。また、日本語で歌っても外国で成功できるということが実証された。今後BABYMETALを参考にして世界を目指すJ-POPミュージシャンが増えていくだろう。