タブレットはPCを置き換えるか?

iPadを購入して1年近く経つ。この間、Galaxy TabGalapagosといったタブレットが登場し、日本でも間もなくiPad 2が発売される。iPadは購入以来ほとんど毎日使用し、その使いかっての良さには大変満足している。

 

1年ほど前、Steve JobsD8というイベントで述べた言葉が印象に残っている。彼は、PC (現在のWintel PCのことだろう)を農耕社会におけるトラックに、iPadを都市における乗用車になぞらえ、(伝統的な)PCを必要とする人は今後少数派になると預言した。

“When we were an agrarian nation, all cars were trucks because that’s what you needed on the farms.” Cars became more popular as cities rose, and things like power steering and automatic transmission became popular. “PCs are going to be like trucks. “They are still going to be around.” However, only “one out of x people will need them.”

 

初めてiPadを使ったとき、僕は興奮のあまり「現在のようなPCは近い将来無くなる」とすら思ったが、その後冷静になるに連れて、両者は併存すると思うようになった。

 

本を読んだり、リラックスしながらWebを眺めたりするような用途には、断然タブレットのほうが向いている。

 

しかし、仕事におけるPCの出番は容易には無くならないだろう。仕事と言っても様々だが、例えば、予算のスプレッド シートを作成したり、取引先向けのプレゼンテーションを作成したりするような場合だ。将来、Google DocsMicrosoft Officeを置き換えるようなことが有っても(現在の出来では未だ無理だが)、依然としてPCを使っているような気がする。今日Excelでいろいろ作業をして改めて思ったのだが、多くのセルの間で数式をコピーするような動作は、指によるタッチでは、不可能ではないものの迅速な作業は難しい。

 

なんだかんだ言って、現在のPCのインタフェイスは、(少なくても特定の用途では)良く出来ている。しばしば言及される物理的なキーボードの良さだけでなく、マウスも正確で高速な作業に適している。

 

改めてJobsの言葉を読み返してみると、彼もタブレットがPCを置き換えるとまでは言っていない。乗用車が普及してもトラックが無くならないのと同様に、タブレットが普及してもPCは無くならないだろう。少なくとも今後数年は...