アルゴ

Ben AffleckArgo (2012)

本作は題材が面白いだけでなく、演出も巧い。結末が判っていても最初から最後まで緊張が続く。

1979年にイランで米国大使館の占拠事件が起きた時、大使館の職員のうち6人がカナダ大使の私邸に逃げ込んだ。この6人を救うためにCIAが取った方法が荒唐無稽だ。Argoという架空の映画をでっち上げ、この6人はロケハンのためにイランを訪れたカナダ人の映画製作関係者だということにしたのだ。CIAの工作員トニー メンデス(ベン アフレック)は6人の偽のカナダ パスポートを携えテヘラン入りする。彼らは空路で脱出を謀るが、出国審査の際に危うく正体がばれそうになる…

CIAが偽の映画をでっち上げたというのは史実に基づいているが、他の点では本作は史実を歪曲しているという批判もある。実際の救出作戦は余り難航しなかったらしいが、作品を面白くするためには、ある程度の演出も許されるとは思う。他には、実際の救出ではカナダ大使が重要な役割を果たしたのに、本作はCIAに焦点を当てすぎだという批判もあるようだ。

★★★★・