予約の際の印象は良くなかった。若い職人と思しき人の応対がぎこちなかったし、12,000円と15,000円のコースの選択を、違いの説明も無しに迫られる。結局、12,000円のコースを選んだ。かなり流行っているみたいで、2週間前に19時に予約しようとしたら、満席なので21時にするよう求められた。
さて、当日。店は雑居ビルに在り、立地は良くないが、食べ始めたらそんなことも忘れてしまう。8人ほど座れそうな白木のカウンターの内側に居るご主人は、若くて実直そうな感じ。
松茸の茶碗蒸し
松茸と鱧の土瓶蒸し
茄子と麩の煮凍り
鮃と鮪の刺身
焼物:金目鯛
味噌汁
蓮根餅
僕は松茸が特に好きでもないが、ここの松茸と鱧の土瓶蒸しには唸った。上品で繊細な味わいの出汁に、松茸の香りが見事に調和している。
金目鯛の焼き物も、弾力感、微かな甘み、皮の程良い香ばしさなど、素晴らしい焼き方だ。
土鍋で炊いた炊き込みご飯の具は、穴子とイクラという組み合わせだが、この相性が意外と良い。ご飯の美味しさも出色で、お代わりしてしまった。
二人で日本酒2合で3万円強。帰る際にエレベータで3階から1階まで下りたら、いつの間にかご主人が階段で降りてきて見送ってくれたのは嬉しい驚き。
★★★★・