『Onceダブリンの街角で』

John Carney, Once (2006)

心に傷を負った若い男女が、ダブリンの街角で出会い、そして別れてゆく。彼らの感情の揺らぎを表現するのは、彼ら自身の歌だ。

ミュージカルを観ると、出演者が演技の途中でいきなり歌い始めることに違和感を覚えることがある。本作はしかし、主人公の男女が音楽家という卓抜な設定により、彼らが感情を歌で表現するのを自然に受け止められる。

率直に言うと、音楽自体の水準は極めて高いわけではない。また、予算の制約故か意図的か判らないが、ほとんどの場面が手持ちカメラで撮影されており、映像が常に揺れているので、見ていて疲れる場面もある。

このように若干不満もあるが、素朴で胸を打つ映画と言えよう。

★★★★・

(WOWOWで録画)