全豪オープンでフェデラーが6回目の優勝

ロジャーフェデラーが、2018年全豪オープン決勝で接戦の末マリン チリッチを破り、全豪6回目、グランド スラム20回目の優勝を達成した。

 流れが何度も変わった試合だった。第1セットはチリッチに緊張が見られ、フェデラーがサービス ゲイムで2ポイントしか落とさず、簡単にセットを奪った。第2セットは、タイ ブレイクまで行き、フェデラーがミニ ブレイクで先行するも、その後チリッチが逆転。第3セットはフェデラーが取ったものの、第4セットになると、チリッチのリターンが決まりだし、フェデラーのファースト サーヴの確率が30%台にまで下がったこともあり、チリッチがフェデラーのサーブを2回ブレイクしてセットを奪った。

第5セットの序盤もチリッチが優勢だった。フェデラーのサーヴでセットが始まったが、中々キープできず、チリッチがブレイクしそうな感じだった。しかし、チリッチが優勝を意識しだしたのか、エラーが増え始め、フェデラーがスーパー ショットも見せて、第1ゲイムをなんとかキープ。ここから流れが再びフェデラーに向き始め、そのまま第5セットを取って、フェデラーが優勝を決めた。
本大会は怪我に苦しんだ選手が多く、トップ クラスの選手の中では、アンディ マレイ、スタン バブリンカ、ミロス ラオニッチ、錦織圭などが欠場した。肘に怪我を抱えるノヴァク ジョコヴィッチは、肘への負担を和らげるために、サーヴのフォームを改良したものの調子が上がらず、21歳のチョンヒョンに敗れてしまった。膝の怪我から復活した直後のラファエル ナダルは、チリッチとの試合で脚を痛め棄権した。

怪我が無かった若手の選手の中では、アレクサンダー ズヴレヴやダヴィド ゴファンが早いラウンドで敗退し、ニック キリオスはグリゴー ディミトロフに敗れ、そのディミトロフも無名のカイル エドムンドに準々決勝で敗れてしまった。そんな中で、去年の#NextGenファイナルで優勝したチョンは、ズヴレヴとジョコヴィッチを破って一躍脚光を浴びたものの、フェデラーとの準決勝で足のマメを痛めて棄権してしまった。チョンはフェデラーに勝てなかったものの、ストロークの精度が高く、ジョコヴィッチ2世になるかもしれない。

去年劇的な復活を遂げたフェデラーは、今年の全豪オープンでも好調を持続した。準決勝まで1度もセットを落とさず、チリッチとの決勝でも、劣勢な状況から逆転したのは見事だった。

フェデラー全豪オープン優勝6回は、ジョコヴィッチやロイ エマソンと並び、史上1位タイ。グランド スラム優勝20回は、自身の記録を更新し、これも史上1位だ。2017年の全豪オープンウィンブルドン、そして2018年の全豪オープンと、フェデラーは直近5回のグランド スラムの内、3回で優勝している。

Rank

Player

Total

1

 Roger Federer

20

2

 Rafael Nadal

16

3

 Pete Sampras

14

4

 Roy Emerson

12

 Novak Djokovic

12

6

 Rod Laver

11

 Björn Borg

11

8

 Bill Tilden

10

 この大会直後も、ナダルが1位を保つが、フェデラーとのポイント差はわずかだ。今年フェデラーは1位に返り咲くだろう。