Requinquer(ルカンケ)は気軽なビストロという雰囲気だ。コースが何種類か有るが、皿数の少ないコースを選び、ワインはペアリングにした。
趣向を凝らしたアミューズ ブーシュが二皿出てくる。一皿は、沢山の小石の中に豚のリエットが隠れており、もう一皿は沢山の葉っぱの中にチップスが隠れているというものだ。出だしから楽しい演出だ。
続くフォアグラは、チーズケーキのような生地にフォアグラを練り込んでいる。フォアグラだけだと食感が重くなりがちだが、他の生地に練り込むことによって食感を軽くしている。
「スモーク」と題された皿は、給仕がクロッシュを外すと、煙が流れ、燻製香が立ち込める。中に有るのは、キャビアを載せたスモーク サーモン。味だけでなく香りも楽しめる。
鱈の白子はパイ包み仕立てだ。テーブル上で給仕がパイを切り、その場でトリュフを削って掛ける。白子のネットリとした食感とパイのサクサクした食感の対比が面白い。
牝牡蠣は趣向を凝らした調理法で供する。大振りの牡蠣をフリットにし、その上に揚げた海藻を乗せている。その横にはビーツなどを練り込んだ冷たいパウダーが添えられている。複数の構成要素の食感や温度の対比を楽しめる。
鱸のポワレは、サフランや野菜を上に載せた状態でテーブルに運ばれて、最後のに給仕がスープドポワソンを掛けて完成させる。スープドポワソンは魚介類を煮詰めた出汁のようなもので、コクが有る。
小鴨は焼き加減が良く、添えてある豆などのカスレも上質だ。
デセールやミニャルディーズも中々良い。
ルカンケは気軽な雰囲気だが 、プレゼンテーションが練られており、また、給仕が最後に一手間掛けて完成させる皿も多い。各皿とも素材が良く、素材の食感の対比も上手く設計されている。
中々良い店だと思う。
9/10