「薪焼 銀座おのでら」は東銀座の歌舞伎座の近くにある薪焼料理の店だ。
店内は、8人掛けのカウンターと個室。オープン キッチンで、調理や薪が燃えている様子を見ることができる。
シェフ達はとても快活で、冗談も交えながら、客と積極的に会話を交わして場を盛り上げる。
料理の大部分は薪で焼かれ、微かに良い香りを纏っている。
毛蟹のフィンガー フードは、ワッフル生地の軽い食感と毛蟹の組み合わせが好印象。
ガスパチョ風のスープは、何と苺を使っている。甘くかつ酸味のある斬新な味。
自家製だというパンやバターも、中々美味しかった。
契約農家から仕入れている野菜を使ったサラダは、新鮮で素材も良い。
筍や山菜や蛤の皿。柔らかさと歯応えの間で上手くバランスを取った筍。蛤から取った出汁が見事。
九絵は素材も焼き方も良く、添えたホタルイカが少しネットリとした食感をアクセントとして付け加えている。
肉が二種類。
熊本のあか牛は赤身を出す店が多いが、この店のは適度な刺しが入っている。付け合わせのズッキーニとともに、シンプルかつ的確な火入れでで勝負している。
鴨はレアに近い焼き方。肉汁から丁寧に作ったソースも良い。
締めは豚肉を載せた蕎麦。最近始めた試みだそうだ。今まで使ってきた素材から取った出汁は深い味。
デセールのバスク風チーズ ケーキは、適度に濃厚な甘さ。
食後の焙じ茶には驚いた。茶葉をその場で薪で燻るので、香りがとても良い。
良い素材を的確に調理し、薪で香りを付けた料理。快活な料理人達が生み出す和やかな雰囲気。 楽しめた。
8/10