葛飾北斎 冨嶽三十六景展 

Pophotで昼食をとった後,原宿の浮世絵太田記念美術館で,葛飾北斎の冨嶽三十六景展を見た。浮世絵の現物をまともに見るのは初めてだ。

 

富士山の連作だが,全ての作品で富士山が大きく扱われているわけではなく,他の風景や人物群の描写の中で,富士山が小さく描かれているものも多い。多くの作品では,風景や橋などがデフォルメされたり,彩色が単純化されたりして,忠実な写実よりも構図や配色の面白さが優先されているのが興味深い。西洋の絵画に慣れた眼からすると,この冨嶽三十六景は様式化された感じがするが,それが陳腐な定型に陥らず,高い芸術性を備えている。