伊豆旅行

伊豆へ1泊の温泉旅行に行ってきた。

JRの「踊り子」という列車だと、品川から伊東まで1時間半程度で着く。伊豆地方は東京から近いので何回か訪れたことはあるが、伊東は初めてだ。

伊東

伊東を歩いて、寂れた街だと感じた。商店街は一部を除いて活気がなく、錆の浮き出たトタンを放置してある建物も多い。近くの熱海と同様、かつて社員旅行が盛んだった時代は人気の温泉街だったのだろうが、少人数旅行が主流の時代の流れに乗りそこねたように見える。生き残っているホテルは、一人一泊バイキング形式で7,800円の横並び料金を提示しているところが沢山ある。

伊東の商店街から少し離れた松川遊歩道を歩く。小川の横の小路だが、どこにでもあるような変哲のないものだった。

 

松川遊歩道の途中にある東海館という建物で昼食を摂る。昭和初期に開業した老舗旅館だが、数年前に廃業し、現在は公立の文化施設として使われている。威風堂々たる建物は見応えがあるが、頼んだ蕎麦とおにぎりのセットは、不味かった。

伊東でレンタカーを借りた。電気自動車の日産リーフを試したかったのだが、1ヶ月くらい前に既に予約で一杯だった。人気が高いのだろうか? 代わりにトヨタ プリウスを借りる。運転する楽しみはない車だが、静かなのは良い。

池田20世紀美術館

★★★・・

伊東を散策した後、クルマで30分程の場所にある池田20世紀美術館を訪れた。この美術館の創立者の故池田英一は、ニチレキというアスファルト関連の会社の創業者だそうだ。収集している画家のうち有名な人は、ルノアールピカソ、ダリ、ウォーホルなどだ。個人のコレクションとしては、大変充実している。

八幡野温泉郷 杜の湯 きらの里

★★★★・

宿泊したのは伊豆高原のきらの里。ここは約3年前にも来たことがあるが、その時も今回も大変繁盛しているようだ。田畑や小川など、昔の村落の風景を再現しているが、ここで本当に農産物を栽培しているのではなく、懐かしさを掻き立てる道具として使っている。夜はなんとラーメンや焼き芋を無料で提供している。宿泊施設も一見古そうに見えるが、実は新しく、清潔で快適だ。狙いすました懐古趣味が人気の理由だろうが、あざとく感じる人もいるかもしれない。

僕は熱い湯が苦手なので余り温泉は好きでないが、ここは湯が数種類あって、温度の低い湯もあるのが良い。

高級旅館でないので、夕食の海鮮じゃぶじゃぶは最上ではないが、十分満足できる。追加料金を払って伊勢海老の刺身も頼んだが、これはとても美味しかった。

大室山 

きらの里に泊まった翌日は、クルマで15分ほとの大室山(おおむろやま)に登った。登ったといってもリフトを使ったのだが... ここは変わった山だ。標高580mと低い山だが、近くに高い山がない。また、山焼きをしているため高い木が生えていないので、頂上からは360度のパノラマが楽しめる。当日はあいにく曇りだったので、眺めが良くなかったが、天気が良ければ大島まで見えるはずだ。 

(大室山の火口でアーチェリーに興ずる人々)

★★★★・

大室山から降りて、側の「さくらの里」に寄る。八重桜はほぼ散ってしまっていたが、枝垂れ桜はまだ残っていた。

ラ・ヴィータ・エ・ベッラ (La Vita e Bella )

大室山からクルマで30分ほどのラ・ヴィータ・エ・ベッラで昼食を摂る。貴族の館を思わせるような豪華な建物に、イタリア料理店とステンドグラスの美術館が在る。仔牛のカツレツは、衣の舌触りが軽く、分量もかなりあり、満足度が高い。クルマだったのでワインを飲まなかったせいもあるが、二人で7,000円弱で済んだのには驚いた。

★★★★・

併設のステンドグラス美術館について、僕は収蔵作品の良し悪しを語ることはできないが、収蔵点数はかなり多いように思われた。

伊東から、再び「踊り子」列車に乗って、品川へ帰る。