2017年全米オープンは、ラファエル ナダルがケヴィン アンダスンを下して優勝した。ナダルのグランド スラム優勝は、今年2回目、通算で16回目だ。1位のロジャー フェデラーが19回なので、ナダルは来年以降も好調を持続できればフェデラーを抜く可能性もある。
グランド スラム優勝回数
Rank |
Player |
Total |
1 |
19 |
|
2 |
16 |
|
3 |
14 |
|
4 |
12 |
|
12 |
||
6 |
11 |
|
11 |
||
8 |
10 |
今年の全米オープンは、近年では稀な低調なグランド スラムだった。上位選手でいえば、アンディ マレイ、ノヴァク ジョコヴィッチ、スタン バブリンカ、ミロス ラオニッチ、錦織圭が怪我で欠場し、出場した選手も、アレクサンダー ズヴレヴ、ドミニク ティーム、グリコリー ディミトロフ、ニック キリオスなどの若手から中堅の有望選手が早期に敗退してしまった。優勝したナダルが当たったシード選手は、準決勝のジャンマーティン デルポトロ(第24シード)と決勝のアンダスン(第28シード)のみであり、楽に優勝できたと言えよう。だからと言って、ナダルの偉業の価値が下がるわけではないが。
フェデラー ファンとしては、フェデラーが不調だったことが残念だ。ウィンブルドンで圧倒的な強さを見せたフェデラーは、8月のモントリオールで背中を痛め、準備不足で全米オープンに臨まざるを得なかった。1回戦と2回戦では格下の選手を相手にフルセットの苦戦となり、その後は持ち直したものの、デルポトロとの準々決勝では精彩を欠いて、ビッグ ポイントでエラーを重ねて負けてしまった。
今年のグランド スラムは、ローラン ギャロスと全米オープンでナダルが、全豪オープンとウィンブルドンでフェデラーが優勝し、数年振りにこの2強時代が再来した。今年は全グランド スラムの優勝者が30代となったが、これはロッド レイヴァーが年間グランド スラムを達成した1969年以来の快挙だ。
年 |
GS大会名 |
優勝選手 |
優勝時の年齢 |
2017 |
USO |
Rafael Nadal |
32 |
2017 |
Wimbledon |
Roger Federer |
35 |
2017 |
RG |
Rafael Nadal |
32 |
2017 |
AO |
Roger Federer |
35 |
2016 |
USO |
Stan Wawrinka |
31 |
2015 |
RG |
Stan Wawrinka |
30 |
2012 |
Wimbledon |
Roger Federer |
30 |
2003 |
AO |
Andre Aggasi |
32 |
2002 |
USO |
Pete Sampras |
31 |
2001 |
AO |
Andre Aggasi |
30 |
1998 |
AO |
Petr Korda |
30 |
1990 |
RG |
Andre Gomez |
30 |
1983 |
USO |
Jimmy Conners |
31 |
1982 |
USO |
Jimmy Conners |
30 |
1975 |
Wimbledon |
Arthur Ashe |
32 |
1975 |
AO |
John Newcombe |
30 |
1972 |
RG |
Andrés Gimeno |
34 |
1972 |
AO |
Ken Rosewall |
37 |
1971 |
AO |
Ken Rosewall |
36 |
1970 |
USO |
Ken Rosewall |
35 |
1969 |
USO |
Rod Laver |
31 |
1969 |
Wimbledon |
Rod Laver |
30 |
1969 |
RG |
Rod Laver |
30 |
1969 |
AO |
Rod Laver |
30 |
1968 |
RG |
Ken Rosewall |
33 |
去年は選手生命が終わったかに思われたナダルとフェデラーは、完全に復活した。30代になってから、これ程までに活躍するとは、この二人はテニスの常識を超えた選手だ。
今年はズヴレヴとディミトロフが初めてマスターズ(ATP 1000)で優勝し、特にズヴレヴは間もなく3位に浮上する勢いだが、若手や中堅も未だナダルとフェデラーの域に達していない。今後半年から1年は、1位ナダル、2位フェデラー、3位ズヴレヴという時期が続くだろう。