予約を取るのが極めて難しい店だ。僕も過去に何回か予約を試みたが叶わず、暫く諦めていたが、偶々キャンセルが出たので初めて訪問することができた。今は昼の営業は行わず、17:00と20:30の二回転だ。今回予約が取れたのは17:00の回で、未だ空腹にならない時間帯だが、この機会を逃すわけにはいかず、仕事を早退して訪れた。
13品という少量多皿構成だが、それにも関わらず個々の皿が強い印象を残す。どの皿も香りが良く、食す前に香りを嗅いでしまう。温菜は素材そのものの香りを活かし、冷菜はハーブや香辛料を上手くあしらって香りを立てている。
火入れも見事だ。先ずはフライパンで、次いでオーブンで焼くというイサキは、中身はレア ギリギリだが、皮はパリパリしている。短時間焼いては休ませるという過程を何度も繰り返すという鳩も、中身はレアに近い。このような焼き加減の肉は、店によっては温度が低くなってしまうが、この店の肉は火入れが一見浅いながらも温度が高く、香りが立つ。
サービスは若干事務的な感じするが、とてもプロフェッショナルだ。ワインはシャンパーニュも含めてペアリングで6杯頼んだが、グラスが空になったら継ぎ足してくれたので、実質的には7-8杯飲んでしまった(ありがとうございます)。オペレーションも極めて効率的だ。かなりの多皿で満席にも関わらず、皿出しのテンポは軽快で、間を持て余すことが無い。厨房の統制が良く取れているのだろう。
メニューが無いのが少し残念。個室以外は写真撮影禁止なので、ワインを飲んで酔ってしまったら、メモでも取らなければメニューを覚えられない。このような些細な点を除けば、極めて満足度が高い。
★★★★★